内容説明
世界がまさに20世紀へ突入しようとする頃、人々の生活に革命を起こす「箱」が現れた―ヨーロッパとアメリカの建築の比較を通して、空間の意味そのものを変えてしまった装置の歴史をたどる。現代へと続く風景の元を築いた「宙吊りの密室」の物語。
目次
序(多層建築のイメージ;一八五四年ニューヨーク―技術史において唯一の始まりを語れるのか;エレベーター事故―ロープに対する不信感)
第1章 裂け目―エレベーターによる垂直の構築(縦穴の理論;直線化の建築様式;階のあいだの無―エレベーターの不連続原理について)
第2章 階 屋根裏部屋からペントハウスへ―エレベーターと建物の垂直秩序(グランドホテル;貧しき詩人たち、世をはばかる夫婦―屋根裏部屋、一八三九年;階の病理学―集合賃貸住宅に対する衛生推進者たちの戦い;世紀転換期の文学における屋根裏部屋の意味;変容のコンセプト)
第3章 インターフェイス―制御技術(名人芸と責任―世紀転換期におけるエレベーター乗務員の立場;押しボタン式コントロールと自動運転への道;補論―押しボタンに関するささやかな心理学的考察)
第4章 内装 エレベーターボックス―親密性と匿名性の交錯点(公の空間か私的な空間か―階段室という問題;異物から建物の核へ―建物内部へのエレベーターの同化;都市化と空間への怖れ―閉所恐怖症の触媒としてのエレベーター;エレベーターの政治性;エレベーターの語りの機能―文学、映画、テレビCM)
著者等紹介
ベルナルト,アンドレアス[ベルナルト,アンドレアス] [Bernard,Andreas]
ドイツ・ミュンヘン大学で学んだ後、南ドイツ新聞に勤務。ヴァイマール大学メディア学部で博士号を取得した後、コンスタンツ大学、ベルリン文学・文化研究センター研究員を経て、リューネブルク大学デジタル文化センター教授
井上周平[イノウエシュウヘイ]
明治大学文学部史学地理学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。専門は近世ドイツ史および医療史。現在、立教大学・獨協大学・関東学院大学ほか非常勤講師
井上みどり[イノウエミドリ]
学習院大学文学部史学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。専門は中世ドイツ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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