内容説明
学生アシスタントや看護師、コンピューター技師にジャーナリスト。彼らの「究極の管理職」、スティーヴン#ホーキング。圧倒的な組織力によって生み出される「天才」。ALSを発症しながらも、宇宙の謎に挑み続けるその舞台裏に迫る。
目次
第1章 アシスタントと機械
第2章 学生たち
第3章 図
第4章 メディア
第5章 ホーキングの存在を読む―控えめな男へのインタヴュー
第6章 永遠の始まりに―ホーキングをアーカイヴ化する
第7章 考える人―ホーキング、ホーキングに会う
結論 くりかえされる疑問―範例から暗号文へ
著者等紹介
ミアレ,エレーヌ[ミアレ,エレーヌ] [Mialet,H´el`ene]
パリ第一大学修了。コーネル大学、ハーバード大学、オックスフォード大学などで教鞭を取り、現在はカリフォルニア大学バークレー校で教えている。主観性や認知に関する研究など、幅広い分野で活躍
河野純治[コウノジュンジ]
1962年生まれ。明治大学法学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いずむ
9
"社会を変える"。規模の大小や方向性の違いはあれど、ボクは、それが企業の役割だと思う。そして、そういうベースで"ホーキングInc。"が果たし、そしてこれからも果たすであろう役割を考えてみると、彼ら彼女らが変化させたものは、社会どころではなく文字通りの意味での「世界のありよう」だ。機能しているのは、指一本とそれを動かす頭脳だけ。自分で一人では1日たりと生きられない矮小で脆弱な人間と、それを取り巻く環境が、世界の根幹の見え方を変え、支え、そして同時に揺るがし続けている。そんな、皮肉にも思える奇妙で素敵な現実。2015/09/18
黒豆
4
難解なホーキング理論の解説書ではなく、博士の活動をサポートする体制、思考実験(通常行われる数式から図形への展開ではなく一気に図形での思考)、ムーア図書館でのアーカイブ、博士のハンディキャプにより貴重な資料が残される事になったと思う。なおエネルギーを放射するブラックホールが発見されたらノーベル賞と考えているようだ。文中出てくる「レーカス数学教授の歴史-ニュートンからホーキングまで」を読みたいと思ったが和訳されてないようだ、残念。2014/09/05
渡邊利道
1
著者は科学哲学、科学人類学、社会史。思ったよりもずっと哲学的、思弁的な著作だった。ホーキングの活動・業績を一人の人間に帰するものとしてではなく、それを可能にする人的・機械的・メディア的ネットワークの働きから検討することで、近代的な「科学者」のイメージが、実際にはある種のネットワークの「効果」であることを論じる。ホーキングの虚像を暴く、というような話ではまったくなくて、むしろまったく哲学的な「主体」の構成の問題で、やや叙述に屈折があって読みにくいのだが大変面白かった。2018/04/08
takao
0
☆声も出ず、体をほとんど動かせずに、どうやって本を書いたり、講演したりするのか? ☆とってもおもしろいテーマ。2018/09/25