NHK、鉄の沈黙はだれのために―番組改変事件10年目の告白

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  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784760138418
  • NDC分類 699.21
  • Cコード C0095

内容説明

事件から一〇年がたとうとしているいま、あらためて、NHKはだれのためにあるのかを問いたい。沈黙はなにも解決してくれない。毎日毎日人の道を説き、社会のありようを提言しつづける放送局が、ふだんの多弁とはうって変わって沈黙を守りつづけるのは、どう考えても不自然だ。いま、すべてが語られねばならない。番組はなぜあれほど無惨に書き変えられたのか。事件後になにがおこなわれ、なにがおこなわれなかったのか―。

目次

事件の現場にいた人々
わたしたちはいまも過ちを続けている
伊東律子さんの死、永遠の沈黙のはじまり
楽観主義と議論不足が火種を生んだ
番組はこうして改ざんされた
やがて虚しき裁判の日々
だれが真実を語り、だれが嘘をついているか
慰安婦問題と天皇の戦争責任について
番組制作の現場を離れるとき
これからの放送、これからの言論のために

著者等紹介

永田浩三[ナガタコウゾウ]
1954年大阪生まれ。東北大学教育学部教育心理学科卒。1977年NHK入局。1981年、ラジオ・ドキュメンタリー『おじいちゃんハーモニカを吹いて…』で芸術祭賞・放送文化基金賞。ディレクターとして、『ぐるっと海道3万キロ』(アジア放送連合賞)、『日本その心とかたち』、NHK特集「どんなご縁で」(テレビ技術大賞)、『NHKスペシャル』の「又七の海」「社会主義の20世紀」などを担当。1991年からはプロデューサーとして『クローズアップ現代』『NHKスペシャル』を担当し、多くの番組を制作する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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最終バック九番手

3
NHK側と議員側の当事者それぞれに既に亡くなった人がでてきてるしまだ現役でも墓場までもっていくつもりの人がほとんどだろうからこの証言自体はとても貴重なもの…自分のことをさらけ出して他人も実名をあげて巻き込んでしまうというのは並大抵の覚悟では出来ないだろうからそれを作品にまとめ上げた編集の尽力はドキュメンタリー番組になぞらえて作成したような構成の巧みさも含めて高く評価されていいと思う…参考文献:あり…第1刷発行:2010年7月25日…本体2000円2010/09/14

takao

2
ふむ2022/09/25

D21 レム

2
永田浩三さん。ごちゃごちゃした内容になっているが、読後に重い余韻と怖さが残る。実名をあげて誠実に書かれている。自分自身についても、保身に走らず、告白されている。「10人に話を聞いたら、一人は正直に話し、8人は事実を話すが都合の悪いところはごまかす、一人は嘘をつく、自分が取材している人はどのタイプの人なのか、判断をしないといけない」。なるほど。番組改変をしたときの救いようのない混乱が手に取るようにわかった。でも、この事件によって、メディアの現状が明るみに出たのだから、意義はあると思う。2012/06/22

kayo

1
たまたま、「秘密保護法案」が物議をかもしている時期に読了。この時は政治介入が疑われたが、今後は「秘密」とされ、全てが抹殺されるのだろうか…と思うと怖くなった。民主党政権に代わり自民党時代の密約が報じられた際、安倍晋三代議士は「秘密を暴露するのではなく、国家の安全を守り続けたことを評価すべきだ」と言ったそうだ。あぁ、こういう論理なのかと愕然とする。2013/11/20

k2jp

1
テレビ『問われる戦時性暴力』での上層部の命による異例の修正について、当事者の一人による手記。多忙によるコミュニケーション不足で、仕事が進んでから取り返しのつかない齟齬が表面化…という失敗例と自分は解釈した。本書の構成が混乱していているところから、筆者は表現が苦手と推測される。仕事を減らして齟齬の解消を優先させたら結果は異なっていたかも。保阪正康氏の引用は見事「自分が話を聞く相手(中略)取材者が自分の目で見きわめなくてはならない。そのとき取材者を支えてくれるのは、その問題についての圧倒的な知識である」2011/10/10

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