内容説明
誇り高き大記者から有能なサラリーマンへ。記者の高学歴化、試験採用制、自社養成制度の枠組みは、実は1920年代に整えられた。「サラリーマンとしてのジャーナリスト」の成立過程を、出身地、出身校、給料など膨大なデータによって描く。
目次
第1章 自由放任の時代
第2章 職業的確立を目指して
第3章 新聞記者の学歴
第4章 学士の苦悩と救いの新聞記者
第5章 採用制度の確立
第6章 記者教育とメディア研究
第7章 新聞記者の資格化
第8章 制度の安定と戦時の動員
著者等紹介
河崎吉紀[カワサキヨシノリ]
1974年生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士課程退学。現在、同志社大学社会学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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中村
2
課題図書。新聞記者を志した学生はあくまでも政治家や文筆家への腰掛けとして考えていた。2021/06/02
東京には空がないというけれど・・・
1
「私は」とか「予は」とか一人称で天下国家を論じた「大記者」時代から、組織内の「報道記者」へと制度化されていった新聞記者の歴史についての論考。同志社大学に出された博士論文が基本になっている。文章が前後していて読みにくいところもある。年表があればよかったと思う。しかし、この記者育成や記者採用の歴史に焦点を当てた研究はほとんどないため、極めて貴重な書籍だと思う。メディア研究者にはかなり価値のある本である。2011/01/27