出版社内容情報
【主要目次】
序章 あいまいな日本の「世論」(佐藤卓己)
《ラジオと世論》
第1章 戦後世論の古層――お盆ラジオと玉音神話(佐藤卓己)
はじめに――8月15日終戦記念日の困難
1 お盆放送の連続性
2「8・15=お盆」の系譜学
3「戦没英霊盂蘭盆会法要」から「全国戦没者追悼式」へ
おわりに――お盆の世論から新学期の輿論へ
《書籍と世論》
第2章 戦争児童書の映画化と正典化――反戦世論のナショナルな欲望(福間良明)
はじめに
1〈前線〉の物語の映画化
2〈銃後〉の物語の映画化
3 文庫化=ロングセラー化と自己像の変容
おわりに――反戦の世論とナショナルな欲望
《雑誌と世論》
第3章 女性週刊誌が支える天皇制――代表具現のロイヤル・ファッション(石田あゆう)
1「週刊誌ブーム」の登場
2「若い女性」の天皇制意識
3 天皇制批判という自由
おわりに――皇室ファッション批評空間
《デモと世論》
第4章スネーク・ダンスのテクノロジー――街頭を覚醒させる土着的身体(井上義和)
はじめに――暴徒の温床か表現の自由か
1 スネーク・ダンスの法悦
2 ナンバの摺り足と土着的身体の覚醒
3 テクノロジーの洗練と中世風のいくさ
おわりに――伝統芸能の再生にむけて
《音楽と世論》
第5章 レトロスペクティヴな革命――70年代フォーク・ソング(佐藤八寿子)
はじめに
1 フォーク・ソングと世論――理論と方法
2 フォークというジャンル――議論の対象
3 フォークのまなざし・フォークの身体
4 反近代としてのフォーク・ソング
おわりに――フォーク・リバイバル
《新聞と世論》
第6章「受験地獄」の黙示録
1「受験地獄」というトラウマ
2「輿論」メデイアの「世論」新聞投書
3「地獄」の季節
4 象牙の塔の青春の落日
おわりに――過ぎ去ろうとしない過去
《テレビと世論》
第7章 日曜午前のテレビ政治――「お茶の間」から見る永田町(稲葉哲郎)
はじめに――テレビと政治の関係史
1 日曜午前の政治トーク番組
2 政治トーク番組の政治的影響力
おわりに――政治トーク番組と世論形成
《インターネットと世論》
第8章 私論と輿論の変換装置――「ネット世論」の行方(柴内康文)
はじめに
1「ネット世論」の舞台と視点の歴史的変遷
2 匿名掲示板時代のネット世論/輿論の行方
おわりに
あとがき
文献解題
人名索引
内容説明
あいまいな日本の「世論」に挑むメディア論!戦後、輿論は世論と書かれるようになったにもかかわらず、読み方が「ヨロン」のままであるのはなぜか?玉音放送から2ちゃんねるまで、インデックス・メディアの分析から国民世論の「ゆがみ」に切り込んだ画期的な戦後史論。
目次
ラジオと世論
書籍と世論
雑誌と世論
デモと世論
音楽と世論
新聞と世論
テレビと世論
インターネットと世論
著者等紹介
佐藤卓己[サトウタクミ]
1960年広島市生まれ。1989年京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。1990年東京大学新聞研究所・社会情報研究所助手。1994年同志社大学文学部助教授。現在、国際日本文化研究センター助教授。京都大学博士(文学)。専攻はメディア史・広報学
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