感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
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初読。ユダヤ人ではなく、ユダヤ人を迫害した人々に関する研究。絶滅計画の実行を妨げたであろう、行政的心理的障害がどのように除去され、迫害へと繋がって行ったか。上下巻を重ねると約10センチ。巻末の原注からいかに膨大な資料に基づく研究書かわかる。2012/08/23
槙
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加害者であるナチスの効率的な処分方法がホロコーストの被害を生んだのはまちがいないのたが、古くから続くキリスト教の迫害や、大戦中の連合国側の実に消極的なユダヤ人救出の働きかけが印象に残った。ユダヤ人は世界史の中でも特に変わった歴史を持ってる集団だが、その特異さが悪くでてしまって、みんなでとおまきに見ているうちに見殺しにしてしまったような印象をおぼえた。2013/02/23
Arte
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ユダヤ人がホロコーストに抵抗せず、自治組織を作って当局側に協力したとはよく言われることだが、古来から繰り返し迫害されてきた身としては「請願する」「金を差し出す」「一部だけでも助けてもらう」という方法を取っていた(そして今までは切り抜けていたが、ホロコーストではそれを逆手に取られた形)ことも書かれている。戦後の裁判は、私が思っていたよりはきちんと(実質加害者野放しのことが多いジェノサイドとしては)やっている印象で、賠償も物価を考えると意味がないとはいえ、一応一部は行われていた、と。2018/06/09