内容説明
ケイパビリティ教育論の第二弾。社会科教師は何を、どのように教えるべきか。児童生徒のエージェンシーを育成するために、社会科教師は知識を再文脈化し、ペダゴジー(教授論)を駆使して授業を実践し、省察する。本書は、前著につづく国際的なジオ・ケイパビリティ・プロジェクトにもとづく日本の社会科教育の国際発信であるとともに、教育研究の将来を展望する書である。
目次
序章 ジオ・ケイパビリティ・プロジェクトの経緯と本書の構成―日本の社会科教育からの発信―
第1部 授業・教材開発編(力強い学問的知識に基づいた地理的探究を行う地理ESD授業―中学校社会科地理的分野における地誌的学習を事例として―;ジオ・ケイパビリティ・プロジェクト第3段階の教材開発―食料問題に関するヴィネットをもとに―;歴史授業におけるレリバンスの構築とケイパビリティ―UCL;Centre for Holocaust Educationの授業プラン群を事例に;ケイパビリティ拡張を目指した教職大学院での授業の試み―地域の社会科教育実践史の活用を通して)
第2部 カリキュラム開発編―「地理総合」「公共」―(社会科地理的分野および「地理総合」と力強いペダゴジーとの親和性;開発研究期の高校「地理総合」を学習者はどのように評価しているか―大学生へのインタビュー調査からみえる地理学習の意義―;開発研究期の高校「地理総合」を授業者はどのように実践してきたのか―神戸大学附属中等教育学校の実践記録から―;公民教育におけるケイパビリティ・アプローチの検討―新科目「公共」の成立を契機として)
第3部 理論考究論―ケイパビリティ・アプローチと国際教育動向―(地理教育における「知識」の接続―GeoCapabilitiesの観点からの考察―;法的ケイパビリティと法教育―教師の力量形成のために―;社会正義を超えて―ジオ・ケイパビリティを保障する地理教育のポテンシャル―;欧州の研究動向にみる地理教師のエージェンシーと再文脈化;ケイパビリティ・アプローチから教育の在り方を考える―ウェルビーイングとエージェンシーを踏まえて)
終章 本研究の成果と課題
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- 和書
- 架カル空ノ音 〈上〉