内容説明
子どもを本好きにするにはどうしたらよいのか、どんな本を選んだらよいのか、などの多くの問題を解決する方法が満載されています。児童文学者として長年活躍している著者の代表作『子どもの本の選び方・与え方』(1973年初版)、時代を超えて読み継がれてきた珠玉の名著、待望の復刊。
目次
序 なぜ子どもに本をすすめるのか
1 子どもの本の世界(子どもの本の実態;いい本・悪い本;悪い本が多いのはなぜか;「ピノッキオ」の場合;「いっすんぼうし」の場合;伝記の場合)
2 子どもの本の選び方(子どもの本はだれにでも選べる;子どもの本の選び方一二項;子どもが選んだ子どもの本;子どもの本の与え方)
3 子どもの本の与え方(本のきらいな子どもはいない;子どもの本の与え方三ヵ条)
4 子どもの本・一問一答(テレビやマンガと本;乱読型の子ども;一つの傾向のものばかり読む偏読型;同じ本ばかりくりかえし読まされる;読書感想文と課題図書;子どもの本の年齢表示;民話や方言や非日常語は子どもにわかるか;図鑑や百科事典の選び方;本好きも度が過ぎては)
著者等紹介
鳥越信[トリゴエシン]
1929年、兵庫県生まれ。早稲田大学卒業。岩波書店勤務、早稲田大学教授、大阪国際児童文学館総括専門員、聖和大学大学院教授など歴任。日本児童文学学会賞、毎日出版文化特別賞、国際グリム賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ayanosuke
3
書かれた時より少し時代が違ってるので鵜呑みにできない点もありますが、翻訳本を原語までさかのぼって研究することを、児童書について考えたことがなく、今回学ばせていただきました。あとは、著者の感情が前面に出過ぎのような・・・いい本、悪い本、とあまり決めつけちゃうのって、どうなんだろう?と思いました。2012/11/11
花実
1
児童書と無縁なのに、近所の図書館の児童書を揃えるのに関わることになった。何をどう考えればいいかわからず、手に取ったのがこの本。児童書の四分の一がいい本、四分の三が悪い本と言い、悪い本の具体例を挙げているのが印象に残った。「こどもの本の実物にふれればふれるほど本の選び方は間違いのないものになって行きます。」とのこと。本選びは当たり前のこのことに尽きると気付かされた。まずは200冊に当たれば、なんとなくわかってくるとのこと。そうしようと思った。2012/11/17
永夢
0
ちょっと内容が古いかも?と思った部分もあったけど、子どもと本との関係を考えるのに役立った。読書感想文については、言いたいことを全て言ってくれたという感じ。2013/02/23
mayabooks
0
読んでいて、今はこういうこと言う人いなくなったなぁ・・・という内容が時々出てきて違和感がありつつよく読み返してみたら、初版が1973年の本がもとになっているそうで納得。児童書の伝記や全集の話はなるほどと思った。2013/02/06
まーたろ
0
出版社や著者を明らかにした上で「いい本・悪い本」と断言している所がすごい。全面的に賛同はしかねるが、言いたいことはわかる。読書感想文と伝記については大いにうなづける部分あり。特に低・中学年の子供に伝記を読ませる必要性は全く無いと私も思う(子供自身が望むのなら別ですが)。将来我が家の児童書の選書をどうするかという観点よりも、むしろこれまで自分はどういう風に本を与えられ(あるいは隠れて読んだりし)てきたか、と来し方を思い返しながら読んだ。2012/11/19