内容説明
子どもたちはいつ頃から、どのように他児を捉えていくのだろうか。他者理解の発達については、近年、心の理論と言われる一連の研究が盛んに行われているが、これらの研究は一般的な存在としての他者の理解を扱っていると言えよう。しかし、子どもたちは、日常生活の中で、まさしく一人しか存在しない特定の他児の行動を見、何らかの他児への捉えを形成し、その他児の行動を予測したり、感情を推測したりしながらかかわり、関係を築いていくのではないだろうか。本書ではこの点に拘り、一般的な他者ではなく、ある個性を持った特定他者をどのように理解していくのかに焦点化する。
目次
第1章 問題設定の意義
第2章 幼児期における他者の内的特性の理解に関する発達の理論的背景
第3章 本研究の意義と目的
第4章 内的特性の理解の始まりに関する基礎的研究
第5章 他者の内的特性を考慮した感情推測能力の発達
第6章 他者の内的特性の把握と行動予測能力の発達
第7章 全体的考察と今後の課題
著者等紹介
松永あけみ[マツナガアケミ]
現職、群馬大学教育学部教授。1984年千葉県立市川児童相談所心理判定員(嘱託)。1985年株式会社公文教育研究会公文教育研究所研究員。1990年山形大学教育学部講師。1994年山形大学教育学部助教授。2000年群馬大学教育学部助教授。2003年教育学博士(東京学芸大学)。2005年群馬大学教育学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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