目次
1 伝本(一六五首本諸本;底本;二四九首本)
2 光厳院の生涯(誕生まで;幼少年時代;春宮量仁親王;光厳天皇 ほか)
3 光厳院御集(全作品と御集の位置;特色と意義)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きさらぎ
1
「ともし火も我にむかはず 燈もわれにむかはずおのがまにまに」「さ夜ふくる窓の燈つくづくと かげもしづけし我もしづけし」勅撰和歌集「風雅和歌集」を編んだ歌人であり、南北朝期、北朝の皇統を継ぐ者として激動の人生を生きた歌人である光厳院の歌集。非常に字余りが多く、調べがごつごつしている面もあるようですが、それだけに味わい深い歌集です。2014/05/09
Waka
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すがすがしい。 歌そのものの完成度をみれば、この御集編集後の作であろう『風雅集』入集歌のほうが洗練されているものが多いが、当時の彼の立場を考え併せると、この洗練の途上の歌々が残されていることの意義が思われる。 京極派の先人たちの完成作(玉葉集入集作など)でなく揺籃期、模索期の試行錯誤や、永福門院の完成作でなく低迷期の作品にも積極的に学んだと見えるさまに、はっとさせられる。 古歌の引用で1箇所誤植があったが、メモを紛失してしまった。2023/08/10