内容説明
日常生活のなかで、相手に何かを伝える場合、伝えたい内容を特徴づける条件の一部を発話することによって、念頭においている意味を間接的に表現することがしばしばある。これを間接的発話行為といい、そのなかで要求を含むものをとくに間接的要求という。本書は、日常言語における生産と理解と記憶の機構の問題に多面的にかかわる重要な研究対象として注目されている間接的発話行為を論じたものである。
目次
第1章 序論
第2章 要求表現の使用実態と使用条件
第3章 実験室事態における間接的要求の形式と意味の記憶
第4章 日常場面に近い事態における間接的要求の形式と意味の記憶
第5章 総括