感想・レビュー
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terve
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有坂秀世博士の音節結合の法則を突き進め、二音節の結合単位を用い、母音の結合を分析した表があります。しかし、有坂先生以降用いられる結合単位という術語には解釈が不十分である点、基準が曖昧である点を含めてそこに言及されていないことが一番の難点ではないでしょうか。先学は偉大であるけれども、鵜呑みにしてはなりません。とはいえ、奈良時代の東国方言に関して言えば示唆に富んだ論攷の多い一書ですので、奈良時代の言語を共時的に比較するには不可欠だと思います。もちろん、伝播の速度を考慮しなければなりませんが…。2020/07/04