出版社内容情報
イノベーションとは『創造的な破壊』だ! 宇宙飛行に革命を起こし続けるイーロン・マスクは,予定調和に凝り固まった日本社会へのアンチ・テーゼなのか. ――野口聡一(宇宙飛行士)
再利用ロケットの実現,国際宇宙ステーションへの人員輸送など,数々の偉業を成し遂げ,「第二の宇宙時代」を象徴する存在となったスペースX.それは,創業者イーロン・マスクのヴィジョンだけでなく,身を粉にして働いた数千の人々の献身があってこそのものだった.
ロードムービーさながらのロケット陸上輸送作戦,海洋冒険小説もかくやというドラゴン宇宙船の回収プロジェクト,陰謀論の誘惑に抗いながら謎解きに挑んだ発射台での爆発事故,そしてSFの世界を現実にしたかのようなロケットの帰還と見事な着陸.しかしスペースXの物語はこれで終わりではない.火星移住という野望を達成するために,死角はないだろうか.
『LIFTOFF』につづき著者は,スペースXの内部に分け入り,輝かしい偉業の舞台裏に迫るとともに,その行く末を占う.
【目次】
プロローグ 2023年4月20日,テキサス州サウス・パドレ島
1 凶暴な野獣 2008年11月22日,テキサス州マクレガー
2 寄せ集める 2009年1月10日,フロリダ州ケープカナベラル
3 フライト・ワン:軌道到達 2008年9月28日 オレゴン州ベンド
4 フライト・ツー:ドラゴンのデビュー 2010年9月,カリフォルニア州ホーソーン
5 フライト・スリー:ドラゴンの必死の飛行 2012年5月25日,テキサス州ヒューストン
6 もう戻ってこない 2012年1月,カリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地
7 荷船を準備せよ 2014年4月20日,カリフォルニア州ホーソーン
8 悲劇と勝利 2015年6月28日,カリフォルニア州ホーソーン
9 Fの2乗と,AMOS-6の悲劇 2009年2月,バージニア州マクリーン
10 火星の値段 2016年9月,メキシコ,グアダラハラ
11 ファベルジェの卵 2008年12月,ワシントンDC
12 第二の宇宙時代 2019年4月20日,テキサス州リーグ・シティ
13 スチームローラー 2018年2月5日,フロリダ州ケネディ宇宙センター
エピローグ
謝辞
訳者あとがき
索引