出版社内容情報
一度は命を終えた鳥たちの骨や羽を使って、再び鳥を形づくっていく。そしてその鳥に命を吹き込み、自由に羽ばたかせる。ささいなものでも、少しの想像力と尽きることのない関心があれば素晴らしい作品に生まれ変わる。もの作りに夢中になるときに誰しもが感じる、静かな興奮や感動が描かれた作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
73
絵本。絵がとてもきれい▽水平線が続く海辺にポツンと小屋があり、少女が暮らしている世界。空が広い▽ちいさな骨を集める。「深呼吸して じっくりと 時間をかけよう 鳥をつくるということは いそいですることじゃない」羽を集める。鳥の形を作って心臓を与える。鳥を手の平に乗せてやさしくかかげる。やがて鳥は飛び立つ▽鳥はどこに飛ぶのだろう。寂しくて切ないイメージから、爽やかな未来に続くイメージがいい▽2022年刊2023/10/26
MI
68
淡々と語られる。骨を集めて鳥を作る。骨に羽根を覆い鳥をつくる。シュールだけど良かった。風景がとてもきれいな絵本2024/08/28
seacalf
60
美しさに惹かれたが、なんとも不思議な絵本。不可思議さと美しさが相まった独特の世界観はショーン・タンを少し彷彿とさせる。少女がつくる鳥は、一見ホムンクルスを生み出す錬金術めいた人造物のようにも見えるが、あらゆる物作りをする方々の創造物のシンボルとして、はたまた献辞にもあるようにもっと大きな意味でこの世の育み手全てへの讃歌として捉えた方がいいのかもしれない。自分にはすんなりと腹落ちのしない読後感になってしまったが、絵本の世界では綺麗に昇華されている。他の作品も読んでこの作家さんの持ち味をもう少し感じてみたい。2023/12/17
たまきら
55
美しい絵本です。というか、詩を読んでいるような気持ちでした。人間の憧れがたくさん詰まっているような…。娘が丁寧に読んでいました。2023/02/22
東谷くまみ
53
完全にジャケ借り。見開きにうっすらと描かれる鳥の絵も美しいけど、刻々と変化する空の色や開け放った窓から見える無限に広がる青空など、しとしと雨空の今日、空の美しさに目を奪われる。テキストもまるで詩のようで…「鳥」が表すものは自分?夢?それとも子供…かな。もうすぐ卒業式シーズン、全てのママにこの本を贈りたい☺️✨2023/02/13