出版社内容情報
ゼフィルスの愛称で親しまれるチョウのミドリシジミ.翅の美しい輝きはどのように作られ,彼らの生態にどのような意味をもつのか興味は尽きない.「雄が派手なのは雌の関心を引くため」という説は果たして本当だろうか? ヤドカリやカニなど,さまざまな生きものを研究してきた動物行動学の第一人者が,中学生のとき魅せられたチョウに立ち戻り,その翅の色,色覚,行動の謎を粘り強く解き明かしていく.実験室やフィールドワークの克明な様子,意外な結果を受けて新たな実験に挑戦と,著者の研究ヒストリーを読者は追体験できる.同僚研究者との交流や研究外のエピソードも紹介され,冷静で論理的な筆致の中にも科学者としての情熱や自然への愛情を感じとれるだろう.
内容説明
ゼフィルスの愛称で親しまれるチョウのミドリシジミ。翅の美しい輝きはどのように作られ、彼らの生態にどのような意味をもつのか興味は尽きない。「雄が派手なのは雌の関心を引くため」という説は果たして本当だろうか?ヤドカリやカニなど、さまざまな生きものを研究してきた動物行動学の第一人者が、中学生のとき魅せられたチョウに立ち戻り、その翅の色、色覚、行動の謎を粘り強く解き明かしていく。実験室やフィールドワークの克明な様子、意外な結果を受けて新たな実験に挑戦と、著者の研究ヒストリーを読者は追体験できるだろう。
目次
梢上の花―チョウとの出会い
クジャクの雄―自然淘汰と性淘汰
ミドリシジミの仲間―分類と学名
三つの方針―研究へのアプローチ
紫外線―翅の色を調べる
ウラニア型―色素色と構造色
前照灯―偏った光の反射
紫外線知覚の発見―昆虫の色覚
雌は雄の色を見るか―チョウの色覚
岩木山―雄の色の効果
龍ヶ崎―翅の色による識別
翅を誇示しない雄―求愛行動
雄に向かう雌―縄張りに雌出現
ヤマトシジミ―雄の色を好む雌
モデルを花と間違える―実験中のできごと
目を外に向ける―研究の流れ
著者等紹介
今福道夫[イマフクミチオ]
1944年東京に生まれる。1968年東京農工大学農学部卒業、1974年京都大学大学院理学研究科博士課程退学、1976年理学博士。京都大学理学部助手、助教授、教授を経て、京都大学名誉教授。専門は動物行動学、とくにヤドカリ、カニ、昆虫など無脊椎動物の行動の研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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