出版社内容情報
映画『レインマン』の兄を覚えていますか? 数字と記憶には卓越した能力があるのに,他人の心を推し量ることができなくて,社会に出られない自閉症の人.本書ではこのような自閉症でパターン探しの達人を紹介し,話題は脳スキャン,遺伝子,人類の進化にまで及ぶ.エジソンやビル・ゲイツらは自閉症の症状があったが優れた発明家だ.しかし,その多くは社会に出られず職がなく,もがき苦しんでいる.彼らの力を社会に活かすための指針を示す.
内容説明
なぜ人間だけが発明できるのか?人間はパターン、とりわけif‐and‐thenのパターンを識別できるから。パターンを認識できるユニークな能力の遺伝子は、自閉症の遺伝子と部分的に一致するという。人類初の楽器から農業革命、産業革命、デジタル革命に至るまで、自閉症としばしば結び付けられるこの特性が、いかに70000年にわたる人類の進歩を促してきたかを明らかにする。人間の最大の強みの一つと、誤解されがちな自閉症を結び付けることで、異なる考え方をする人たちへの見方を変えるべきではないか、と問いかけている。
目次
第1章 生まれながらのパターン・シーカー―アル(エジソン)の幼少時代
第2章 システム化メカニズム
第3章 5つの脳のタイプ
第4章 発明家のマインド
第5章 ヒトの脳に起きた革命
第6章 システム・ブラインドネス―なぜサルはスケートボードをしないのか?
第7章 巨人の戦い―言語vs.システム化メカニズム
第8章 シリコンバレーの遺伝子を探る
第9章 未来の発明家を育てる
付録1 SQとEQでわかるあなたの脳タイプ
付録2 AQでわかる自閉特徴の値
著者等紹介
バロン=コーエン,サイモン[バロンコーエン,サイモン] [Baron‐Cohen,Simon]
ケンブリッジ大学心理学・精神医学教授、自閉症研究センター所長。600本を超える科学論文を発表した自閉症研究の第一人者。三つの有力な学説、「マインド・ブラインドネス理論」「出生前性ステロイドホルモン理論」「共感‐システム化理論」を提唱。1999年、英国初のアスペルガー外来を開設、1000人以上の患者の診療に携わってきた。2017年、国連で基調講演者として自閉症啓発を行った
篠田里佐[シノダリサ]
愛し野内科クリニック事務長・心理相談員。東京学芸大学卒業。ロンドン大学大学院修了。医学博士、教育神経科学修士、教育学修士。国立国際医療センター研究員、理化学研究所脳科学研究センター研究員などを経て現職
岡本卓[オカモトタカシ]
愛し野内科クリニック・院長。東京大学医学部卒業。東京大学病院、ハーバード大学医学部講師などを経て現職。医学博士。論文Cell他多数
和田秀樹[ワダヒデキ]
国際医療福祉大学特任教授・精神科医。東京大学医学部卒業。東京大学病院、アメリカ・カールメニンガー精神医学校国際フェローなどを経て現職。医学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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