内容説明
いわゆる「足利事件」におけるDNA鑑定では、なにが問題だったのか。いまDNA鑑定の信頼性は大きくゆらいでいるのか。1990年代から、犯罪捜査にも本格的に導入されたDNA鑑定。本書では、DNAの分析方法を丁寧に解説しながらその能力を探るとともに、それ自体がはらむ“弱点”に迫る。20年以上DNA鑑定に携わってきた研究者の冷徹な分析によって明らかとなる、大いなる可能性と避けることのできない限界。
目次
第1章 法医学鑑定と個人識別
第2章 DNA鑑定でなにができるか
第3章 DNAとはなにか―名称と構造と分析方法
第4章 DNA鑑定の検査対象(1)塩基配列の反復STRと塩基の変異SNP
第5章 DNA鑑定の検査対象(2)父親由来のY染色体と母親由来のミトコンドリアDNA
第6章 DNA鑑定は万能か―その限界と問題点
著者等紹介
赤根敦[アカネアツシ]
1960年島根県生まれ。84年島根医科大学卒業、88年島根医科大学大学院医学系研究科博士課程修了。医師、医学博士。島根医科大学法医学講座助手を経て、関西医科大学法医学講座教授。専門は法医学、とくに法医遺伝学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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