Dojin選書
ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784759813289
  • NDC分類 498.54
  • Cコード C0340

出版社内容情報

農薬や食品添加物の基準値からリスク分析まで,食の安全を複眼的に理解するための格好の書.

内容説明

食品添加物は危険なのか?残留農薬の基準値超過で回収・廃棄の対応は世界の常識なのか?ビタミンでがんの予防ができるのか?オーガニックは優れているのか?巷にあふれる食をめぐるさまざまな情報。どの情報が信頼に足るものなのだろうか?メタミドホス、マラカイトグリーン、トランス脂肪酸、メラミンなどの実際の事例も参照しながら、残留農薬の基準値の設定の仕方やその値の意味、発がん物質のリスク評価の方法を紹介していく。食品の安全情報を複眼的にとらえた、目から鱗が落ちる一冊。

目次

第1章 「基準値」はいかに決まるか(残留農薬はすべて“危険”なのか?;天然は常に“安心”なのか?;安全基準は厳しければよいのか?;参考にする値はなにを用いたらよいのか?)
第2章 発がん物質のリスクの大きさをどう考えるか(発がん性とはなにか;発がん性のリスク評価;健康的な食生活にもっとも大切なことはなにか?)
第3章 食品のリスク分析はどのようになされているか(魚中メチル水銀のリスク分析;トランス脂肪酸のリスク分析;緊急時のリスク分析;リスクとどう付き合うか)
第4章 食品の有効性をどう評価するか(抗肥満薬はなせ薬なのか?;ビタミン剤でがんの予防ができるのだろうか?;健康強調表示の“科学的根拠”とはなにか;健康的な食生活とは)
終章 健康的な食生活を送るために―科学リテラシーを育む(食の安全の本質はなにか?;ジャガイモから考える食の安全)

著者等紹介

畝山智香子[ウネヤマチカコ]
宮城県生まれ。東北大学大学院薬学研究科博士課程前期二年の課程を修了。薬学博士。現在、国立医薬品食品衛生研究所主任研究官。専門は薬理学、生化学。「食品安全情報blog」では、食品や健康などに関するさまざまな情報を発信している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

52
もし玉ねぎが食品添加物だったら、サラダに5㎎使ったら使用基準違反になる、天然の食物でもその程度の毒性?はあるらしく。 2023/02/04

まろ

6
ナチュラル、オーガニック、無農薬、無添加、全部健康そうでかっこよくって積極的に選ぶべきものだと思っていたけれど、ただのイメージだというこもがわかった。様々な食品を食べる事が結局はリスク回避に役立つ。知りたい事がますます増えたから畝山さんのブログをチェックしにちこうと思う。2016/10/19

よう

4
食品の添加物や農薬に関する基準値の決め方、問題があった時のリスク評価の仕方、食品表示についての各国のルールなど数字データとともに紹介されている。今までなんとなく持っていたイメージが間違っているとわかった。今後もし何かあった時には、不確かな噂やネット情報などに惑わされず冷静に情報を見られるといいなと思う。まぁ食事に関しては各人それぞれ色んなこだわりがあったりなかったりすると思うけれども、みんな知っといて損はない話かと思う。2015/11/29

ぼっこれあんにゃ

4
☆残留農薬、食品添加物、発ガン物質など、食品に関するリスクについて、私はきちんと理解していなかったようだ。特に化学薬品に対する不信感は根強く、まさか添加物うんぬんよりも天然の食材そのものに高いリスクがあるとは気付かなかった。とにかく世間で言われているほど、化学物質は危険な存在ではないようだ。本書ではメディアや消費団体の科学的根拠に欠ける運動が数多く取り上げられているが、「メディアに科学が負けた」象徴のAlar騒動のコラムなど読むと、この分野ではメディアと科学は相性が悪いようだ。2015/07/17

にこまる

3
専門用語が多く、何回か読まないと頭に入ってこなかったが、とても有益な内容だった。特に、食物にはゼロリスクというものが無いこと、だからこそ様々な食品をバランス良く食べることでリスクを分散させること、にはハッとさせられた。得られる栄養素ばかりに目が向きがちだったので。オーガニックや残留農薬、○○を食べれば健康になるという情報に、惑わされがちだけど、冷静になって考えること。一見、科学っぽいものに惑わされないように。2021/11/23

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