内容説明
典型元素、つまりsおよびpブロック元素は周期表の他のどの領域の元素よりも多様性に富んでいて、フッ素のようにきわめて反応活性な非金属から、ケイ素のような半金属(亜金属)、さらには非常に反応活性なアルカリ金属までを含んでいる。このような典型元素とその化合物の物理的・化学的性質の傾向を議論するとき、周期表は非常に役立つ枠組みである。本書は、広範で変化に富んだ典型元素の化学のうちで重要な特徴を要約し、とくにその性質の周期的な傾向と、これを合理的に説明する原理を解説することを目指して書いたものである。また記述的な化学の部分には、例題と章末問題をあげて理解しやすくなるよう配慮した。
目次
典型元素の化学における構造と結合の概略
水素の化学
1族元素(アルカリ金属)―リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムとフランシウム
2族元素―ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムとラジウム
13族元素―ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウムとタリウム
14族元素―炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズと鉛
15族元素(ニクトゲン)―窒素、リン、ヒ素、アンチモンとビスマス
16族元素(カルコゲン)―酸素、硫黄、セレン、テルルとポロニウム
17族元素(ハロゲン)―フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、とアスタチン
18族元素(希ガス)―ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンとラドン〔ほか〕
著者等紹介
三吉克彦[ミヨシカツヒコ]
1945年広島県生まれ。1968年広島大学理学部化学科卒業。現在、広島大学大学院理学研究科教授。専門は錯体化学。理学博士
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