内容説明
「行使可能」は世界の常識だ。安保法制懇の軍師が説く本当の論点!
目次
憲法には集団的自衛権の記述がない
国連憲章第五一条を調べる
議論の足跡をたどる
世論調査にご用心
国連憲章下での軍事同盟という問題
日米安保体制を再点検する
内閣法制局による集団的自衛権の「定義」の誤り
国際テロリズムと集団的自衛権
サイバー攻撃―最も新しい脅威
二度にわたる「安保法制懇」の経験
七月一日の閣議決定と「七二年資料」
著者等紹介
佐瀬昌盛[サセマサモリ]
防衛大学校名誉教授。安倍晋三首相の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)メンバー。1934(昭和9)年満州・大連生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学大学院博士課程からベルリン自由大学に留学。防衛大学校教授、拓殖大学海外事情研究所所長などを歴任。専門は国際政治、安全保障論。2006年瑞宝中綬章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nizimasu
8
これは良書。集団的自衛権は安保法制に帰結しやすいが、それを国際的な視点で日本の特異性に触れているのがこの本の特徴。安倍の安保法制懇にも参加していただけあって、理屈としての集団的自衛権の必要性についてはなるほどよくわかる。しかも国連憲章51条でしか世界的に集団的自衛権について定義している部分はない訳で現在の安保法制の実務運用が求められている時期に来ているのだと思う。一方日本では81年政府答弁による集団的自衛権の違憲解釈が金科玉条のように用いられている現状にも言及。さらには72年資料による正当性も主張している2015/09/11
takizawa
4
2014年閣議決定をとてもよく理解できる本。議論のポイントはいくつがあるが、安保法案=戦争法案ではない。解釈改憲と批判された閣議決定のロジックも極めて常識的な内容。国際法上保有している集団的自衛権を必要最小限度の範囲で行使できるというのも国連憲章と日国憲を素直に読めば当然そうなるよね。しかしこれ読んで腑に落ちる人はまだまだ少数派だろう。集団的自衛権=戦争抑止の技術ということを歴史が実証し、人々のイメージが刷新されるのを待つしかないのかな、とも。2015/10/11
どりたま
2
集団的自衛権とはこんなに複雑で難しいものだとは知らなかった。独立国なら当然の権利であるはずなのに憲法解釈のために日本では非常に問題になっている。左翼のせいだと言えばそれまでなのだが、一般人にも非常に大きな影響を与えている。集団自衛権=戦争と朝日新聞などが煽っているのは許しがたい。最近、中国が日本に攻めてきているので非常に日本人も関心をもって本気で考える良い機会だと思う。ようやく7月1日の閣議決定で一歩を踏み出した。すぐに憲法改正とはいかないだろうが、へんてこな解釈ばかり作らないで、改憲の方向へ進むべき!2014/11/11
アジャ
1
いちばんよくわかる というタイトルだが、最初から不勉強な私には難しかった。何か哲学書か禅問答かと錯覚するような感じだった。憲法や国連憲章などの根元的なところの研究者の方々への敬意を表したい。ちょうど10年前の安保法制論議のことを思い出しながら読んだ。改めて10年前の決断された安倍晋三元総理のご冥福をお祈りしたい。 昔の社会党の議員が戦争と憲法の解釈に対し、もし憲法に日本には台風が来ないと書いてあったら来ないのか?と言っていた議員を思い出す。2025/04/08
tcut
0
集団的自衛権とはなにか?なにが問題となっているのかをその起源から日本特有の問題点までをわかりやすく説明されている点がよい。法理の観点で述べられているので多少固いのは仕方ないが偏りがなく安心感がある。2015/01/17
-
- 電子書籍
- ガーデンスケッチ12ヶ月 はじめよう!…
-
- 電子書籍
- HOTEL(25)