内容説明
病床での運命的な出会い。次々と襲う病を感謝と共に受け容れた妻。死ぬという大きな仕事をなし遂げて2年半。愛の足跡と、つのる妻への懺悔を歌に託して。病という恵み、愛するということ、いのちの重さ、生きる意味、そして、希望の力を教えてくれる本。
目次
病中の出会い
貧しき新婚
二人の家
創作する者
野に遊ぶ
わが家の食卓
深い悲しみ
取材旅行
馬のいた暮らし
耐えに耐え
相携えて
著者等紹介
三浦光世[ミウラミツヨ]
1924年、東京・目黒に生まれる。1927年、父の開拓地、北海道滝上村に家族と共に移住。同年父死亡。その後、母方の祖父の家族に預けられ、母とも離れて過ごす。1939年、小頓別高等小学校卒業。丸通運送社に事務員として就職。1940年、中頓別営林署毛登別伐木事業所に検尺補助として勤務。1949年、キリスト教の洗礼を受ける。1959年堀田綾子と結婚。1966年、旭川営林局経理課退職、以来、妻綾子の著作活動に協力。1999年10月12日、妻と死別
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感想・レビュー
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おくちゃん🌷柳緑花紅
68
夫、三浦光世さんが、妻三浦綾子さんと生きた四十年の思い出を短歌に寄せて書かれた本作品。学生の頃初めて「塩狩峠」を読み衝撃を受け多くの作品を貪る様に読んだが、その作家の背景は詳しくなかった。作中の「耐えに耐え」での短歌(激しき痛み忍び明かしてまどろむ妻何か寝言を言ひて笑ふも)笑ったことが泣いたという以上に悲しい…とある。徹底して苦難をよしと生きた三浦綾子さん。今お二人は又一緒に寄り添っておられるのでしよう。久しぶりに「塩狩峠」再読したい。2014/11/19
アッキ@道央民
37
知人に頼まれて、病床を見舞った事がきっかけで知り合い、結ばれた三浦綾子さんと夫の光世さん。生前、大病に犯されながらも決して悲観する事なくその状況を受け入れた綾子さん。最後の最後まで作品の執筆や公演活動などされていたんですね。三浦光世さんが短歌を詠まれていたのは初めてしりました。綾子さんと過ごした場面、場面と共に寄せられた短歌で綴られています。綾子さん晩年、パーキンソンを患った時の介護の時の苦労は私の祖母の時の事を思い出しました。献身的に寄り添い綾子さんを支え続けた光世さん、奥さんへの愛いっぱいの一冊でした2014/11/08
nanaco-bookworm
3
三浦綾子さんの「銃口」を読み終えたところで、積ん読本だったこの本を手にとった。意外にも亭主関白だったんだな。。三浦綾子さんを深く愛していた事が伝わる。高村光太郎と智恵子の智恵子抄を思い出す。最後の章には泣けました。2015/08/24
Yumikoit
1
道ありきを読んで読もうと思った。夫側から見た視点。興味深く。夫婦の愛。2015/10/31