内容説明
テクノロジーの進歩により差別の手口が巧妙化し、対処が難しくなってきている。イノベーションが再生産するさまざまな新しい差別、その現状と対策を明らかにする。
目次
第1部 ネット差別の現状と闘い(ネット上のヘイトスピーチの現状と課題―「2016年」以後を考える;女性に対するネット暴力の現状―誹謗中傷にさらされた当事者のケースから考える;ネット社会で深刻化する部落差別 ほか)
第2部 法規制の観点からネット上の差別を考える(ネット上の人権侵害に対する裁判の現状;地方自治体はネット差別とどう向き合うべきか―その動向と課題;ドイツの「ネットワーク執行法」に学ぶ―サイバー・ヘイトの問題を中心に ほか)
第3部 テクノロジー/ビジネスと差別(「AIによる差別」にいかに向き合うか―プロファイリングに関する規制を中心に;ビジネスは人権を守れるのか?―イノベーションの落とし穴;テクノロジーは人種差別にどう向き合うべきか?―国連「人種差別と新興デジタル技術」報告書の分析を中心に)
著者等紹介
宮下萌[ミヤシタモエ]
弁護士。反差別国際運動(IMADR)特別研究員。ネットと人権法研究会メンバー。専門はインターネット上のヘイトスピーチ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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U-Tchallenge
2
インターネット上には人権侵害や差別がある。そして、それは一度インターネット上に現れると無くなるということはほぼない、と言っていいだろう。そんなインターネット上にある人権侵害や差別についてさまざまな角度から考えることのできる一冊であった。これからますます利活用されるであろうAIについても言及されている。AIが差別をする、差別を助長する恐れがある。しかし、それはAIが学習する情報に差別意識等がすでにあることが問題だろう。つまり、やはり人間の課題が大きくあるということなのだろう。2023/10/27
アルミの鉄鍋
2
★3 AIが差別を作るのではなく、人間が作った差別の構造を見える形で学習してるだけという指摘になるほどなぁと思った。差別や偏見を知らずにしているかもしれない自分の行動も改めないとと思った。2022/03/12