穢と大祓 (増補版)

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  • サイズ B6判/ページ数 413p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784759252538
  • NDC分類 382.1
  • Cコード C0021

内容説明

往古に生きた人々にとって穢は恐怖の実在物であり、神罰を恐れ、罪の償いを神に求めて禊祓がくり返された。時空を超えて、いまも現代人をしばる穢れ観念とはなにか?穢の全体像を解明した名著が「穢れ観と中世社会」「検断と祓」「血讐と処刑」を加えた集大成として蘇る。

目次

第1部 穢とは何か(穢とされる事象;穢とされるその他の事象;穢の伝染と空間;物・水・火と伝染;穢の本質;秩序と穢;内裏・宮都・天下;穢の知覚と穢の観念の変化)
第2部 社会的排除と穢れ(穢れ観と中世社会;仏教と穢;検断と祓;血讐と処刑)
第3部 大祓(穢と大祓;罪と災い;大祓の意味;平安京大祓のトポロジー)

著者等紹介

山本幸司[ヤマモトコウジ]
1946年東京都生まれ。慶應義塾大学大学院経済史専攻修士課程修了。出版社勤務を経て、中央大学大学院国史学専攻博士課程単位取得。神奈川大学短期大学部・同大学院歴史民俗資料学研究科教授を経て、静岡文化芸術大学文化政策学部教授。専攻、日本中世法制史・思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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テツ

22
穢れとは何か。死や死体が身近にあった時代にはその概念は理解しやすかったのだろうけれど近代では穢れという考え方だけが残りリアルに体感することはなかなかできない。それは何を媒介して広がるとされ、どう扱われ、どのように祓われてきたのか。歴史を紐解きながら解説してくれるのでとても解りやすく興味深く読めました。多くの日本人はぼんやりとでも穢れというシステムを未だに受け入れている印象なので、それがどう生まれてきたのかということを考えるのは我々の社会的な感覚のルーツを探るという意味でも大切なのかもしれない。2020/01/06

Toska

20
歴史を考える上で「穢れ」という概念を直視することは避けられないのだ、と改めて痛感。病原菌などとは似て非なる発想で、穢れはあくまでも社会的な存在であり、秩序を乱すものとして恐れられた。だから、何よりもまず社会の中心(神、天皇、内裏、京都)を穢れから守らなくてはならないという理屈になる。この問題を日本史の枠内に閉じ込めず、比較のため古代ギリシアの事例が紹介されているのも面白い。ただ、西洋文学からの引用を散りばめたエピグラフはちょっと鬱陶しかった。2025/02/09

林 一歩

17
日本中世史をきちんと学びたくなりました。相容れない部分もありますがこれは傑作です。2012/09/15

もるーのれ

5
膨大な量の史料に当たっていて、とても充実した内容だった。日本の古代〜中世において、「穢」とは何か、その状態を取り除くにはどうすればよいのか、的確にまとめられている。こんなものでも穢として判断されるのかと、驚かされる事象も多々あって、興味深い。2022/04/10

しろきいろ

3
図書館。すみません斜め読みだけどめちゃめちゃ面白かった。膨大な一次資料を紐解き、穢れや祓えがどれほど身近で恐ろしくも面倒くさがられていたかよくわかるようまとめられてる。喰入(遺体の一部を屋敷内に犬などが持ち込む)という出来事が頻出するとあるのですが、当時の死や死体の身近さ、衛生状態を想像しながらでないとやはり穢れの観念は理解できないなと。巻末の年表その他資料が圧巻です。またゆっくり読みたい…2019/02/16

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