内容説明
「解放」という言葉が、ヒューマニズムも、人権も、民主主義願望も引っ張ってきた。「解放の文学」の中心にある差別からの解放は、封建的な家門意識、男尊女卑、権力意志、強者の論理にとどまらず、人間の内に巣くっている分別しがたいマグマにも向き合い、解き放つことを求める。文学作品を通じて、人間の尊厳を守る、真の解放を探る私の文学の旅。
目次
近代への目覚め
束縛への挑戦
戦時下抵抗の形
戦場の心
被爆体験の凝視
戦後思想の形成
植民地の傷痕
戦争体験の座標
アジアの叫び
隣国の模索
古層の発見
人間解放の希求
厄災からの救済
状況への肉迫
近未来の像
『破戒』をめぐって
著者等紹介
音谷健郎[オトダニタツオ]
1944年、広島県庄原市生まれ。広島大学政経学部卒、朝日新聞記者を経て帝塚山学院大学非常勤講師。現在、大阪文学学校講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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