目次
第1章 「愛知の部落史」への想い
第2章 被差別部落の成立と展開(一)街道整備とともに
第3章 被差別部落の成立と展開(二)津島と熱田、門前町・湊町の発展とともに
第4章 被差別部落の成立と展開(三)名古屋城築城とともに
第5章 三河の被差別部落
第6章 中馬街道(塩の道)と被差別部落
第7章 明治維新と被差別部落
第8章 近代部落史の展開―全国と名古屋・津島の動向を中心に
第9章 愛知県水平社の成立と推移
第10章 戦後部落解放運動の再出発
第11章 同和教育の理念を人権教育へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nata
2
紙数の半分ほどで愛知県下の被差別部落の成立を各街道・宿場の発達と共に概観している。各部落の生業にもよるのかもしれないが、江戸時代には比較的生活が安定していたとか、非人頭には名字帯刀が許されていたという例は意外だった。むしろ明治以降は平等の建前の下特権を失い、しかも人々の賤視は根強いというのはこの問題の解決の難しさを感じる。優遇措置はかえって反発を招く可能性もあるわけだし。2021/01/09
まちこ
1
部落というファクターを通して、愛知の郷の成り立ちがすごく良くわかりそうだったので図書館で手に取った。期待裏切られず。宿場町、門前町、塩の道、その町になくてはならなかった仕事を引き受ける人たちの歴史を通して見たとき、現在の愛知県の問題も見えてくる。この問題疎かったけど、いかに根源的な問題であるかもよくわかった。良書。2017/09/12
三浦正
0
地元図書館の新刊(購入)コーナーで見かけ、深夜2時間位の速読?(拾い読み)。「街道整備・宿駅制度」の発展と「被差別部落」の成立、仏教と部落との関係などが興味深かった。就職した1971(昭46)の夏、愛知県庁正面広場で「狭山事件(1963発生強盗強姦)」の差別裁判糾弾集会デモがあり、そこでチラシをもらったことから数年間、活動家(同世代3人)との関わりを持ったことがことがある。1人は、本書の執筆を分担した編集委員として名を連ねていた。地鯉鮒宿と鳴海宿の中間、私の実家と本家は「東海道」の両側、更に「瀬戸街道」(2016/01/08