目次
1 人権意識調査における先行研究と問題意識
2 「大阪府2010年調査」の集約
3 差別に関する人権意識を測る―「大阪市2010・2015・2020年調査」より
4 部落差別意識をとらえる―「大阪市2010・2015・2020年調査」より
5 部落差別の社会化と同和問題学習―「泉南市2012年調査」より
6 反部落差別意識に影響する諸要因のパス解析
7 さまざまな人権意識の構造を探る―「三田市2020年調査」より
8 政策提言
著者等紹介
神原文子[カンバラフミコ]
社会学者(博士)・専門社会調査士。京都大学大学院博士後期課程社会学専攻単位取得満期退学。専門は、家族社会学、教育社会学、人権問題。長年、大学教員として家族社会学や社会調査法に担当してきた。ひとり親家族の貧困、被差別、生きづらさについて、現代家族とジェンダー不平等について、また、子どもの人権にかかわるしつけと体罰の問題についてなど、さまざまなテーマについて生活者の視点から調査研究をしてきた。そのほか、複数の自治体の「人権に関する市民意識調査」の分析に携わり、差別の要因分析にもとづく人権学習・人権啓発の課題について問題提起している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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U-Tchallenge
1
いくつもの人権意識調査結果を分析し、その成果をまとめられた一冊。人権意識調査結果の分析はとても詳しくされている。統計的な処理は専門的な知識が必要であるので理解はできなかった。しかし、分析の過程をオープンにされていることは伝わり誠実であるように思った。人権意識調査結果から得られた知見を基に、部落差別解消への道筋を示してくれている。これは大きな点である。ここで示された知見を共有し、より良い社会をつくるための指針にしていけばよいのではないだろうか。2023/08/02
U-Tchallenge
0
部落差別解消への展望というか道筋について、さまざまな自治体の意識調査結果から考えられた一冊。教育・啓発は必要であるが、したからと言って良い効果が現れるわけではなさそうだ。しかし、偏見や悪意のある情報に触れる前に教育・啓発を行っておくことには大きな意味がありそうだ。そして、適切な交流も必要になるだろう。知らないからこそ偏見が大きくなり、それが差別につながっていることは往々にしてある。さまざまな知見を得られる内容である。2025/04/22