内容説明
英文法の負のイメージは、実用的効果を目指した「正面からの学校英文法」に原因しているのではないだろうか。高校の教科書や参考書で学ぶ文法事項を教材にして、気付きや考える力を培う「斜めからの学校英文法」を提唱する。例外を例外とせず、暗記に頼らぬ納得いく説明を提示する。述語動詞・準動詞の助動詞、不定詞と動名詞の選択、他動詞ではない他動詞など、目から鱗の具体例が続々。
目次
英文法のイメージは変わるか
まずは誰でも知っている5文型から
命令文は5文型の例外か
本当の助動詞は随意的か
「見えない」意味上の主語は見えないだけか?
原則はどのような場合に当てはまり、どのような場合に当てはまらないか
動名詞は「詞」ではなく「節」である
動名詞と現在分詞はどう違うのか?
ちょっと変わった過去分詞
不定詞に共通した意味があるのか
動名詞に共通した意味は何か
すべての他動詞が他動詞か
ことばに学ぶ
著者等紹介
中島平三[ナカジマヘイゾウ]
1946年東京生まれ。東京都立大学大学院修士課程修了(文学修士)、米国アリゾナ大学大学院言語学科博士課程修了(Ph.D.)。東京都立大学名誉教授。千葉大学助教授、東京都立大学教授、都立大学附属高等学校長、学習院大学教授、学習院初等科長などを歴任。日本英語学会会長、日本英文学会評議員、一般社会法人語学教育研究所理事、アメリカ言語学会名誉会員委員会委員などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くーぼん
1
学校英文法には規則、例外事項が多く出てきますが、本書は英文法の各例外事項についても実は規則性がある、という1つの考え方を提示しています。 一例として「助動詞は文に必須ではないと考えられているが、時制の動詞変化などを助動詞の一種とみなすことで助動詞は文に必須と考えられ、例外なく助動詞の発生パターンを認識できる」などがそう考えるに至る過程を含めて記載されています。 自身の認識とは異なった英文法解釈が楽しく、文法規則の暗記が一部効率化できるので、英文法の暗記で困ってる人がいれば一読の価値ありです。2023/04/30
南北
1
英文法について新たな知見が得られると思って読んだのですが、斜め上から生成文法で解説していく方法は共感できませんでした。さすがに言語学界の革命と呼ばれる生成文法だと痛感させられました。たとえば「節」は「定形動詞を含むひとまとまりの語句」を指しますが、この本で「主語・助動詞・動詞を含む語句」と微妙に解釈をずらすことで不定詞も動名詞も分詞も「節」だという主張しているのにはあきれました。挙げ句の果てにto不定詞のtoは「助動詞」というのが生成文法の常識なのだとしたら、学ぶ必要は全くないと言わざるを得ません。2018/09/06
乗るway
1
読了2017/12/28
カンナバーレ
0
準動詞についての記述が主だが、学校英文法よりもわかりやすく整理されていたので勉強になった(納得いかない部分もないわけではないが)。2018/09/12