内容説明
生成文法の意味論であるジャッケンドフの概念意味論(Conceptual Semantics)の基礎の部分をジャッケンドフの著書『意味構造』(Semantic Structures)の概要を私自身の言葉でひらたく述べ直すことにより紹介した概念意味論の入門書である。英語の動詞の意味論を中心に、概念意味論の基本的なメカニズム、言語の意味の問題、言語の意味と形の対応の問題について学ぶことができる。人間の心理としての意味論の入門書。
目次
第1章 生成文法としての意味論(はじめに;生成文法の意味論とは ほか)
第2章 概念意味論の基本的なメカニズム(文法全体の枠組み;多義語の扱い ほか)
第3章 意味の問題(新たな概念関数の導入;意味素性による空間関数の精緻化 ほか)
第4章 意味と形の対応の問題(関数に組み込まれた項を表現している付加詞の構文について;意味では修飾節にある一つの項位置を占めるが統語では付加詞である要素について ほか)
著者等紹介
大室剛志[オオムロタケシ]
1956年生まれ。1986年、筑波大学大学院文芸言語研究科博士課程単位取得退学。2000‐2001年、ハーヴァード大学言語学科客員研究員。現在、名古屋大学人文学研究科教授。専門は、生成文法、動的文法理論、概念意味論、統語論・意味論インターフェイス(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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センケイ (線形)
2
認知意味論にハマっていたため後回しになってしまったが、こちらもまた読むべき必読書であった。句を再帰的にプログラマティックに書くには、このような階層的な記述やスロットを設けるやり方は、大いに有用に違いない。それも、それぞれの単語の個別具体的な問題になりすぎるのをうまく避けるよう、先行する議論を批判的に再考している点が嬉しい。例えば drink は、それ専用の関数を作るのでなく、基本関数GOに液体という選択制限を与えることで解釈する。といった具合に、妥当な一般化を目指していっている内容だ。2018/01/20
kamanaka_gani
0
あとがきでも触れられているように、Jackendoff (1990) Semantic Structuresの最初の方を日本語で丁寧に解説するといった趣旨の本でした。2019/12/19
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