内容説明
私たちが何気なく操ることばは、非常に身近なものであり、日頃はそれほど意識されない存在である。しかし、ことばによって生み出される文法現象を詳しく調べてみると、驚くほど整然とした法則性に支配されていることがわかる。本書では、日本語で観察されるいくつかの文法現象を取り上げ、そこに潜む法則性の探求を通じて、言語のメカニズムを解き明かし、日本語の本質に迫っていく。
目次
プロローグ:日本語の独自性?
二種類の自動詞
所有や存在を表現する動詞
場所格交替
ものの受け渡しを表現する動詞
品詞の認定
隠された主語
所有者が上昇するとき
所有文の定性の制約
イディオム
語彙変化
否定の環境で現れる表現
否定の形容詞
感嘆表現
エピローグ
著者等紹介
岸本秀樹[キシモトヒデキ]
神戸大学大学院文化学研究科修了(学術博士)。鳥取大学教養部講師、鳥取大学教養部助教授、滋賀大学教育学部助教授、兵庫教育大学学校教育学部助教授、神戸大学文学部助教授を経て、神戸大学大学院人文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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books
1
非常に面白く読めた。「たくさん」テスト、所有者志向表現、vP、定性制限、イディオム、連体形・終止形があるから準体法が存在する、「なんという」テスト。
センケイ (線形)
0
先に○○の意味と構文シリーズを読んでいると多少重複もあったが、格の分類や、句の木についての整理がうれしい。言語の3分類のうち日本語は膠着言語に入る、という話もここで初めて知れたし、そうした言語全体における位置づけも新鮮であった。見た目がソックリだが(共通性を有しつつも)実は全然異なる表現だ、という話題が特に充実しており、何気なく使っている表現(例えば所有と存在)の意外な違いなどを射貫かれていくのは、ツボる人ぞツボるであろう独特の快感だ。2017/11/30




