内容説明
沈黙するか、そっと伝えるか、ずばり言うか、それとも意図を明示し、かつ聞き手に配慮して話すのか。言語の対人関係的機能をBrown and Levinsonのポライトネス理論から考察。ポライトネスは、敬語や「丁寧さ」とどう違うのか。理論言語学的議論に加えて、著者の私的視点も思い切って導入。楽しく読める語用論の入門書。
目次
第1章 言語使用とコンテクスト(言語と対人関係性;文の意味と話者の意味;コンテクストとはなにか;生きた言語とコンテクスト)
第2章 丁寧さとポライトネス(「わきまえ」と「かしこまり」―日本的丁寧さ;Brown and Levinson(1987)のポライトネス理論
2種類のフェイス
フェイス侵害行為(FTA)とその補償
2種類のポライトネス
FTAの程度と会話方略の選択)
第3章 消極的ポライトネス―対人的距離化(ポライトネス方略;敬語とポライトネス;2種類のフェイスのどちらのフェイスの侵害なのか;沈黙とオフレコードの意味機能;日英語の消極的ポライトネス―いくつかの実例から)
第4章 積極的ポライトネス―対人的距離の縮減(相手との距離縮減のポライトネス;「タメ口」の意味機能;ポライトネス意図と反ポライトネス意図;大学生と積極的ポライトネス;日英語のポライトネス―いくつかの実例から)
第5章 現代日本語の中のポライトネス現象(丁寧化する日本語;「優しさ」とポライトネス;「怒ること」とポライトネス;より豊かな日本語ポライトネスへ向けて)
著者等紹介
福田一雄[フクダカズオ]
1947年、三重県生まれ。1972年、大阪教育大学大学院修士課程修了。1993‐1994年、ケンブリッジ大学英語科客員研究員。新潟大学大学院現代社会文化研究科・人文学部教授を経て、新潟大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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