内容説明
本書は『素顔の新言語学』(1978年、研究社出版)の改訂増補版である。ことばとは何か。英語の構造はどのようになっているか。言語の普遍的特性は何か。変形生成文法の登場に伴う理論の進展とともに考察する。深い構造など、抽象的レベル問題のほか、文型論など、具体的問題に及ぶ。改訂増補にあたり、今世紀初頭における回顧と展望を含む「生成文法のその後と認知文法」と最近脚光を浴びている認知文法の立場から「英語の冠詞再考」の2章が加えられた。
目次
第1章 ことばとは何か
第2章 言語の構成と言語行動
第3章 言語学・戦後の歩み
第4章 変形文法理論とレベル
第5章 言語における句構造と変形構造
第6章 生成文法のその後と認知文法
第7章 新言語学と英語教育とのかかわり
第8章 英語文型論
第9章 英語の冠詞再考―認知文法の立場から
著者等紹介
安井稔[ヤスイミノル]
1921年、静岡県生まれ。1944年、東京文理科大学英語学英文学卒業。東京教育大学教授、東北大学教授、筑波大学教授、芦屋大学教授、静岡精華短期大学学長を歴任。現在、東北大学名誉教授、文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Saiid al-Halawi
3
それまでの構造主義言語学に取って代わったチョムスキー一派が外からの淘汰圧をあまり受けることなく、自前でその言説を精錬しつつ発展させていったってところだけど、扱うテーマから言っても当初から修正主義的なスタンスで臨んでたんだと思う。それとこの本は英語学、もっと言えば英語教育へのフィードバックに目標を置いてるようで、後半3分の1くらいはそのことしか語ってない。どうなの?それ。2012/09/23
endocco
1
学史の叙述がたいへん面白かった。ストーリーの明解さ、学説の解説など、原典を読んでいない初学者にもわかりやすい一方で、問題点の指摘は鋭く、バランスが良かった。2014/06/17