内容説明
40年以上にわたって、生成文法による日本語研究で発掘されてきた面白い言語事実を、樹形図を用いて「構造」の観点から説明した日本語文法書。意味だけを見ていては分からない日本語の姿を満載。基礎知識いっさい不要。学校で教えられる国文法に満足できない「進んだ」高校生、日本語について知りたいと思っている大学生や一般の読者、そして、留学生教育に従事する日本語教育者にも最適。
目次
ことばの構造
「部長は、多分、本社に応援を依頼するだろう」
「えーん、ヒロちゃん、わたし、ぶった」
「このクラスでは、佐藤君が、いちばん頭がいい」
「私は局長の行動を不審に思った」
「みんな自分の老後を気にしている」
「田中先生はスワヒリ語が話せる」
「警官は男が逃げようとするのを呼び止めた」
「凧あげ」
「山田さんが、奥さんに逃げられた」
「みんな、そうし始めた」
「美穂は直人にチョコレートをあげた」
「そのことを、私は今でもよく覚えている」
構造から日本語を見る
著者等紹介
三原健一[ミハラケンイチ]
1950年宮崎県生まれ。大阪外国語大学外国語学部イスパニア語学科卒業。同大学院英語学専攻修士課程修了。2005年、東北大学から博士(文学)取得。富山大学、大阪外国語大学を経て、大阪大学大学院教授(言語文化研究科・外国語学部)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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blockfloete
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日本語の生成統語論の入門書としては一番いいかも。扱っている現象は広いと思われる。語形成(非対格・非能格)、受動文、内在節などなど。 ただ、学問分野としての生成文法への導入かというと、以下の点では教科書的ではない。 専門用語は使っていないので、その次の本への接続という点ではいまいちかもしれない。 生成文法の研究プログラムとしての面(プラトンの問題など)もほとんど書いていない。 生成文法の枠組みがどの時代のものなのかはよくわからない(GB?)。 もっとも、これらの点は言語学者でもなければ気にしなくていいこと 2015/05/02
books
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日本語の方にも興味があるので、初学者向けのこの本を手に取ってみた。生成文法の知識0からやる人にあっているのかどうかは想像できない。だが、生成文法の知識がある人から見ればここまでシンプルに書けるというのは驚きだった。しばしば生成文法は日本語には合わないという主張があるが、1960年代にはすでに日本語を分析した博士論文も出ている。本書でその一端を味わえるかもしれない。
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