内容説明
本書は、個別言語としての日本語の研究と一般言語学・言語類型論との架け橋を目指して、言語の類型を日本語と言語理論の視点から考察したものである。第1部では言語類型の中に日本語を位置づけながら、日本語から見た言語類型論の諸問題を考察している。第2部では最適性理論、生成文法、計算言語学、認知言語学という4つの異なる言語理論を解説しながら、それぞれの言語理論が言語類型をどのように捉えているかを論じた。
目次
第1部 日本語と言語類型論(日本語のアクセントと言語類型論;日本語諸方言のイントネーションと言語類型論;日本語のオノマトペと言語類型論;日本語の文の主題と言語類型論;日本語のとりたて表現と言語類型論 ほか)
第2部 言語理論と言語類型論(最適性理論と言語類型論;生成文法と言語類型論;計算言語学と言語類型論;認知言語学と言語類型論)
感想・レビュー
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Shiba
3
個別言語学と一般言語学と言語類型論はそれぞれどういう関係にある(なりうる)のか?たしかに気になる、よって読みました/後半の言語理論の部分が特に面白く刺激的で、わたしって個別言語学の人だと思ってたけど理論言語学が好きなのか……?と言う気がしてくる(筆者の好みや各章で扱われる言語現象の違い、類型論とのシナジーなどいろんな要素が絡み合うのでなんとも言えない)/生成文法がずっととっつきづらいと感じてきたけど、本書第10章の写真名詞構文の分析がわかりやすく興味深く、一度ちゃんと触れてみるかと思った2024/06/21