内容説明
服部四郎博士の構想により1966年に開設された東京言語研究所(通称TEC)の50周年記念セミナーをもとに編纂。第1部では、日本語という言語の特性を他言語との比較を交えて解き明かし、第2部では、言語学の各領域(音韻論、日本語学、社会言語学、生成文法、認知言語学)について、研究の現状と展望を具体的に論じる。東京言語研究所の理念を次世代に継承し、ことばの科学が切り開く豊かで刺激的な世界へ読者を誘う。
目次
第1部 日本語はどういう言語か―内から見た日本語、外から見た日本語(複合語の小宇宙から日本語文法の大宇宙を探る;「話し手」考慮の重要性と日本語―「~ている」と「~てある」表現を中心に)
第2部 ことばの科学―将来への課題(音韻論の課題―類型論的観点から見た日本語の音韻構造;日本語学の課題―「記述」と「理論」の壁を越えて;社会言語学の課題―ことばの選択を考える;生成文法の課題―人間の言語機能の解明に向けて;認知言語学の課題―文化解釈の沃野)