内容説明
事象アスペクトは、「状態」と「動態」、「動き」と「変化」を基本とする対立の体系である。しかし、一定の条件のもと、一方から他方へも移行する。本書は、概念意味論を大幅に修正して、対立と移行を取り扱うことができる計算理論を提案し、テイル形の多義的意味や、両義的限界性、「V‐スギル」の解釈の多様性など、これまで未解決だった事象アスペクトに関する問題を一挙に解決する。概念意味論とアスペクト研究に新しい方向性を指し示す意欲的研究である。
目次
流れ行く時間の中で
第1部 理論的背景(事象アスペクト研究の流れ;事象投射理論)
第2部 「動き」と「変化」(シテイルの多義性と状態化の類型)
第3部 事象の限界性(両義的限界性と変化の段階性;限界点を越える―「V‐すぎる」の意味計算と解釈コスト)
結論
著者等紹介
岩本遠億[イワモトエノク]
愛知県出身・国際基督教大学大学院教育学研究科修士課程修了(1985年)。オーストラリア国立大学博士課程修了(1992年)。Ph.D.(言語学)。神田外語大学大学院言語科学研究科教授。研究分野:言語学(日本語・英語・アランブラック語(パプア・ニューギニア))(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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