出版社内容情報
【目次】
内容説明
ある日琴子に、リユース着物店「本庄の蔵」の店長で、年は一歳違いだが戸籍上の甥にあたる柿彦から電話があった。琴子も昔住んでいた本庄の家の物置部屋から、誰も見覚えのない手描き友禅が出てきたという。柿彦の母・慶子によれば、まぼろしの作家といわれた朽木聡子の作品らしい。その後、柿彦が持ってきた着物を見て、琴子の体は震えた。その水浅葱色の友禅は、記憶のなかにある風景とそっくりだったのだ。養父母の愛情、友禅の謎…。織物の町・八王子が舞台、切なくも優しい記憶の物語。シリーズ第三巻!
著者等紹介
ほしおさなえ[ホシオサナエ]
1964年、東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」で、第38回群像新人文学賞優秀作受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
155
本庄の家の物置部屋から、誰も見覚えのない手描き友禅が出てきたと柿彦から琴子に電話がかかる。その手描き友禅は、幻の作家といわれた朽木聡子の作品らしい。琴子と柿彦は、琴子の過去がわかるかもと調査に乗り出すと同時に、琴子は手描き友禅の着物を壁にかけて夢を見ようして調査のヒントを見つけようとする。調査をするうちに、歌人の村瀬佳乃が朽木聡子と繋がりがあることが判明。手描き友禅が繋ぐ縁が、琴子の記憶、能力誕生の秘密がわかるのか。ミステリー小説のような展開に、ページを捲る手が止まらなかった。2025/08/27
のぶ
66
ほしおさんの中ではミステリアスなシリーズだと思う。本作は琴子も昔住んでいた本庄の家の物置部屋から、誰も見覚えのない手描き友禅が出てきたという。柿彦の母・慶子によれば、まぼろしの作家といわれた朽木聡子の作品らしい。という展開なのだが、琴子の夢に出てくる風景だとか、朽木聡子の謎が不思議な世界を繰り広げる。この先も目が離せない。2025/08/18
よっち
32
琴子自身も昔住んでいた本庄の家の物置部屋から、誰も見覚えのない手描き友禅が出てきたという柿彦からの電話。そこから自身の過去や出生の秘密に向き合っていく第3弾。柿彦の母・慶子によれば幻の作家といわれた朽木聡子が作ったという着物を見て、記憶の中にある風景とそっくりな情景を垣間見る琴子。着物の由来を探る中で明らかになっていく、着物の作家本人らしき女性のこだわりと、着物を作った歌人本人が認識している事情の齟齬。それが琴子自身の過去に繋がるとは思いませんでしたが、果たしてどんな事情があったのか気になるところです…。2025/09/03
朗読者
23
なんと琴子さん誕生の秘密に迫る話でした。まだ不完全なので続編はあるでしょう。重要人物Aのその後も明かされていませんし、Bは登場もしていないし、CDとABがどういう関係だったのかもわからないままなので、次巻を早く読みたいです。俵万智さんの名前が出てきたとき、急に小説の世界と現実の世界が繋がってドキッとしました。歌人として食べて生けるのはこの人だけってモリタクさんが書いていました。2025/10/21
*+:。.もも.。:+*
16
琴子さんの出生の秘密が!というところで終わってしまった。ページ数も少ないなぁとは思っていたけどこんなクリフハンガーで終わるのはちょっとね。だったらもっと厚くして最後まで書ききってほしかった。2025/10/10
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- 和書
- 徳川幕府の資金繰り