出版社内容情報
「南天」には「難転」、つまり「災い転じて福となす」という意が込められている──縫箔師・咲の職人仲間である修次が世話になった老人・喜兵衛が余命僅からしい。
死ぬ前に生き別れになった娘と会わせてやりたいと居場所を探す修次だが、喜兵衛は娘に迷惑を掛けたくないと会いたがらない。
ただ喜兵衛は、亡き妻が嫁入り道具として持たされ、大切にしていた筥迫を、今度は自分が娘に贈ってやりたいという。
咲は修次と共にその思いを受けて、針を握る──。
市井に生きる人々の縁を温かに描く、傑作人情時代小説第七弾!
内容説明
「南天」には「難転」、つまり「災い転じて福となす」という意が込められている―縫箔師・咲の職人仲間である修次が世話になった老人・喜兵衛が余命僅からしい。死ぬ前に生き別れになった娘と会わせてやりたいと居場所を探す修次だが、喜兵衛は娘に迷惑を掛けたくないと会いたがらない。ただ喜兵衛は、亡き妻が嫁入り道具として持たされ、大切にしていた筥迫を、今度は自分が娘に贈ってやりたいという。咲は修次と共にその思いを受けて、針を握る―。市井に生きる人々の縁を温かに描く、傑作人情時代小説第七弾!
著者等紹介
知野みさき[チノミサキ]
1972年生まれ。ミネソタ大学卒業。2012年『鈴の神さま』でデビュー。同年、『妖国の剣士』で第四回角川春樹小説賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
79
シリーズ第7弾。さぁて、登場人物がごちゃごちゃになりだしたぞ。これまでの人物たちは把握できてるけど、次第に新しい名前が出て来ると前の人まで分からなくなりそう。そんな読解力の乏しい読書になりました。今作は咲や修次たちの前に昔訳ありだった男や女が現れて、ムフフかと思えばきっちり線を引くというあっぱれお咲ちゃん。修次が世話になった職人仲間の老人が余命短く、生き別れの娘に一目会わせてやりたいとしろやましろたちも探し始める。老人の希望で嫁入り前の娘に持たせた咲が作った筥迫。人の縁はどこかで繋がる人情味溢れる物語。2025/04/30
はにこ
58
登場人物が増えて誰だっけと話の途中でなった。色んな交流があるからね。女人形師、女戯作者。女であることが商売の弊害となる世の中。応援したくなるね。しろとましろ、勘吉が可愛すぎる。由蔵さん、長生きしておくれね。2人の仲がこじれなくて良かった。これからも商売仲間として切磋琢磨していくんだろうね。2025/09/17
真理そら
54
やや修次不足な気分で読了。おさきさんと修次が共同作業をするときの雰囲気が好きなので、その点では今回も満足だった、が、もうすこし進展してほしい気も…。写楽や蔦重の話題も少し登場。今年の大河ドラマは蔦重なので生まれて初めて大河ドラマというものを観ている、まだなにものでもないが何者かにはなるだろうと思わせる雰囲気を漂わせている横浜流星クンから目が離せない。2025/02/20
天の川
49
知野さんのシリーズの中では、今はこれが一番好きかも。しろとましろが出てくるだけで頬が緩んでしまう。近所の勘吉ちゃんも可愛い。主人公の咲が縫箔師として自立しており、職人としての本分を優先しているのも良い。修次との仲はじれったいけれど。人形師、戯作者、浮世絵師の女性達との談義もなかなかだけれど、シリーズが進むにつれ、仕方のないこととは言え登場人物がやたらと増えてきている。混乱するのは一人ひとりのエピソードが印象深くないからじゃないかしら…。2025/05/25
あつひめ
25
7巻目。一つの縁から枝分かれしてあちこちに名が知れるようになったお咲。いつの時代も「女」というだけで出る杭は打たれるように厳しい社会。そんな社会でも負けずに生きる女戯作者の存在もまた応援したくなる。男と女の関係も昔の男さ!とさっぱり言えるくらい心の中でけりの付いたお咲。修次との職人仲間、友達以上恋人未満の関係だって素敵な関係だと思う。二人が一緒に作品を作り上げることで幸せな人が増えていくような。しろましろも神様のお使いなら、お咲修次もそれに負けていないくらい人の縁を結んでいる気もする。あ!お稲荷食べよう。2025/09/22
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