出版社内容情報
一人前の料理人となり、日々仕事へ精進するおやす。
紅屋ではとめ吉に料理を教えるために、代わって下働きをする女の子・おせいを新しく雇うこととなった。
そんな折、高輪にある東禅寺のイギリスの公使館が襲われた。
世情不安が大きくなる中、おやすの長屋を薩摩藩の川路正之進が訪ねてくる。
それは夫を亡くしたおあつさんからおやすへの呼び出しであった。
おやすは久方ぶりの再会に喜ぶが、もはや故郷に帰ることもできないおあつさんの立場に、胸がふさがれて……。
不安な幕末の世を精一杯生きる人々を描く大好評シリーズ第十一弾!
内容説明
一人前の料理人となり、日々仕事へ精進するおやす。紅屋ではとめ吉に料理を教えるために、代わって下働きをする女の子・おせいを新しく雇うこととなった。そんな折、高輪にある東禅寺のイギリスの公使館が襲われた。世情不安が大きくなる中、おやすの長屋を薩摩藩の川路正之進が訪ねてくる。それは夫を亡くしたおあつさんからおやすへの呼び出しであった。おやすは久方ぶりの再会に喜ぶが、もはや故郷に帰ることもできないおあつさんの立場に、胸がふさがれて…。不安な幕末の世を精一杯生きる人々を描く大好評シリーズ第十一弾!
著者等紹介
柴田よしき[シバタヨシキ]
東京生まれ。1995年に『RIKO―女神の永遠―』で横溝正史賞を受賞。ジャンルを超えて幅広く意欲作を発表し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
165
新しく下働きを雇ったおせい。不器用だけど、おやす、おうめさん、おしげさん、とめ吉が根気よく教える姿に自分が学ぶものがあった。おやすは今後のおせいやその先のことで迷い、おしげさんも先のことで迷い、おせいも自分の好きなことで悩んで迷い、さらに薩摩のあの方もだね。それにしても、とめ吉の新たな呼び方に慣れないや(笑)。それだけ成長したということだね。紅屋で働く人達は、いい人達ばかり。こんな人達に囲まれて、仕事をしてみたいと思うのは自分だけではないはずだ。ああ、紅屋で働きてえ。世情不安でも紅屋の未来は明るい。2025/03/13
いつでも母さん
145
おやすは真っ直ぐなんだよなぁ。儚げで支えてやりたくなるのだけれど、実は芯があって詰まる所ブレずに逞しい。新しく雇い入れた紅屋の下働き・おせいの隠れた才能が、この先どの様に開花し羽ばたくのか、はたまた潰れるのか・・そんな楽しみが出来た。そして、今回は私もずっと案じていた「おあつさん」との再会がとても嬉しい。きっともう少し、もう少し先には今より自由に会える日が来るよね。 2025/02/17
タイ子
95
シリーズ第11弾。久しぶりにおやすがおあつさまと再会。おあつさまが会話の中で何気に出した<大奥>と言う言葉をおやすはあえて聞かなかったことにしたところに寂しささえ感じる。今作はおやすを取り囲むいろんな人たちの人生模様がギュッと詰め込まれていて読み応え十分。紅屋におせいちゃんという9歳の下働きの子が来た。不器用な彼女から見えてきたとんでもない才能。おせいちゃんの将来も気になるが、紅屋の跡取り問題も気になりつつ何とか収まりそう。時代背景も次第に変わりつつある中でおやすの生きる道はまっすぐで清々しい。2025/03/19
のぶ
85
シリーズ第十一弾。一人前の料理人となり、日々仕事へ精進するおやすは元気に働いていた。紅屋ではとめ吉に料理を教えるために、代わって下働きをする女の子・おせいを新しく雇うこととなった。本作の陰の主役はこのおせいでしょう。最初は不器用で目立ったこともなく、どうやら読み書きもできないらしい。ところが、ある時にとんでもない才能を持つことがわかった。その才能を伸ばしてやろうと、いろいろな案を相談する周囲。おせいのこの先の幸せはどうなるのか?これからというところで終わりを迎え、先が気になります。2025/02/23
ゆみねこ
78
紅屋ではとめ吉に料理を教えるため、下働きのおせいを新しく雇う。不器用で料理にもあまり興味もなさそうなおせいにはとんでもない才能があった。幕末の揺れ動く政情や世間の変化にもおやすの料理への一途さは変わらない。紅屋の跡取り問題にも進展があり、おやすのこれからはますます目が離せない。2025/04/14