出版社内容情報
ある朝、夫婦でブックカフェを経営している和泉浩次郎が娘の杏奈を連れて出勤すると、妻エリカが店内で惨殺されていた。
その捜査の過程で、エリカが戸籍を偽っていたことを告げられる。
妻はいったい何者で、誰が殺したのか?
激しく動揺する和泉だったが、実は彼も戸籍を偽る「なりすまし」だった。
焦燥する和泉を嘲笑うかのように、娘の杏奈も殺されてしまう。
いったい彼の周囲で何が起きているのか……?
戸籍売買、無戸籍児、そして「なりすまし」──暗部を描き切った社会派小説の傑作!
内容説明
ある朝、夫婦でブックカフェを経営している和泉浩次郎が娘の杏奈を連れて出勤すると、妻エリカが店内で惨殺されていた。その捜査の過程で、エリカが戸籍を偽っていたことを告げられる。妻はいったい何者で、誰が殺したのか?激しく動揺する和泉だったが、実は彼も戸籍を偽る「なりすまし」だった。焦燥する和泉を嘲笑うかのように、娘の杏奈も殺されてしまう。いったい彼の周囲で何が起きているのか…?戸籍売買、無戸籍児、そして「なりすまし」―暗部を描き切った社会派小説の傑作!
著者等紹介
越尾圭[コシオケイ]
1973年、愛知県知多郡東浦町生まれ。同志社大学文学部中退、早稲田大学教育学部卒業。2019年『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちょろこ
118
重さと面白さがドンの一冊。タイトルが物語るように戸籍売買がテーマの社会派ミステリ。惨殺された妻は一体何者なのか…妻の戸籍偽りを知った夫もまた…という、なりすまし夫婦の設定に一気に面白さがドン!と。妻を殺害した犯人は誰なのか、さらに娘まで殺害され次々に危険と不可解さは積もりまくり、真相に迫る面白さもドンドン加速。無戸籍児といい、戸籍を欲する人もいれば簡単に手放す人もいる、その皮肉さが重くドンとくる。人の安易な企てこそが社会の裏側の恐怖だ。最後まで思いもよらぬ展開なのも良かった。読後は自分の証が愛おしくなる。2025/08/09
ma-bo
95
夫婦でブックカフェを営んでいる和泉だが店内で妻のエリカが惨殺された。その捜査の過程で妻が戸籍を偽っていた事を告げられる。何故?妻は何者なのか?驚きの出だし。さらに実は和泉自身も戸籍を偽る「なりすまし」である事が明かされる。その後は娘も殺され、妻と戸籍を交換したという女性が現れ、かつての仕事仲間の協力も得て犯人を、そして妻の過去を追う。戸籍売買、無戸籍児問題、なりすましが絡み二転も三転もする展開。のめり込める内容だけど登場人物達がほぼ戸籍が変わってるから混乱😖2025/11/27
yukaring
72
戸籍売買やなりすましをテーマにした社会派ミステリ。こんなに簡単に戸籍が売り買いされているのかと思うとゾッとする。夫婦でブックカフェを営む和泉が娘を連れて出勤すると妻のエリカが惨殺されていた…。警察の調べで妻は戸籍を偽っていたことが判明。妻は一体誰だったのか?そして実は和泉自身も犯罪者の兄への復讐を目論む暴力団から逃れるため、戸籍を取得し別人になりすましていたのだ。偽りだらけの自分たち夫婦の真実に翻弄される中、幼い娘までも殺されてしまう。一体何が起きているのか?社会の暗部にどっぷり問題提起を投げ掛ける物語。2025/07/23
まこみん
52
戸籍は殆ど無意識に気付いたら自然とあったもの位の存在意識だったが、実際に戸籍売買や斡旋業者や仲介業者を描いたこんな話を読むと、社会の闇の深さを改めて垣間見た思いになる。主人公の和泉も妻のエリカも生きる上で先が見通せず戸籍を替える選択をしたが、お互いに秘密のままエリカが自営の店で惨殺される。和泉の妻の正体を知り犯人を突き止める為の奔走が始まるが、保育園児の娘まで殺されてしまう。自身の出自もあり頼れない警察に、エリカを知る咲月や前職の上司福浦との探索は。代理ミュンヒハウゼン症候群や無戸籍児の知識も。2025/10/31
きりん★
44
これは面白い!好みの作品で読む手が止まらなかった。 カフェを夫婦で経営する主人公。出勤すると奥さんのエリカが殺されていた。そして警察より聞かされた妻が戸籍を偽っていたという事。じゃああれは?本当の名前は?マトリョーシカ的構造でもう、最後まで気になって仕方ない。物語の中の話だと信じたいが、戸籍が身近で売買されてたりしたらめちゃ怖い😱2025/08/27




