出版社内容情報
ある朝、夫婦でブックカフェを経営している和泉浩次郎が娘の杏奈を連れて出勤すると、妻エリカが店内で惨殺されていた。
その捜査の過程で、エリカが戸籍を偽っていたことを告げられる。
妻はいったい何者で、誰が殺したのか?
激しく動揺する和泉だったが、実は彼も戸籍を偽る「なりすまし」だった。
焦燥する和泉を嘲笑うかのように、娘の杏奈も殺されてしまう。
いったい彼の周囲で何が起きているのか……?
戸籍売買、無戸籍児、そして「なりすまし」──暗部を描き切った社会派小説の傑作!
内容説明
ある朝、夫婦でブックカフェを経営している和泉浩次郎が娘の杏奈を連れて出勤すると、妻エリカが店内で惨殺されていた。その捜査の過程で、エリカが戸籍を偽っていたことを告げられる。妻はいったい何者で、誰が殺したのか?激しく動揺する和泉だったが、実は彼も戸籍を偽る「なりすまし」だった。焦燥する和泉を嘲笑うかのように、娘の杏奈も殺されてしまう。いったい彼の周囲で何が起きているのか…?戸籍売買、無戸籍児、そして「なりすまし」―暗部を描き切った社会派小説の傑作!
著者等紹介
越尾圭[コシオケイ]
1973年、愛知県知多郡東浦町生まれ。同志社大学文学部中退、早稲田大学教育学部卒業。2019年『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
66
戸籍売買やなりすましをテーマにした社会派ミステリ。こんなに簡単に戸籍が売り買いされているのかと思うとゾッとする。夫婦でブックカフェを営む和泉が娘を連れて出勤すると妻のエリカが惨殺されていた…。警察の調べで妻は戸籍を偽っていたことが判明。妻は一体誰だったのか?そして実は和泉自身も犯罪者の兄への復讐を目論む暴力団から逃れるため、戸籍を取得し別人になりすましていたのだ。偽りだらけの自分たち夫婦の真実に翻弄される中、幼い娘までも殺されてしまう。一体何が起きているのか?社会の暗部にどっぷり問題提起を投げ掛ける物語。2025/07/23
akiᵕ̈
23
自分たちが営業しているカフェで妻の死体を発見してしまう冒頭から、終始スリリングな展開に読む手が止まらない。しかも妻は戸籍を偽り別人だった事、そして自分も同様の"なりすまし"である事から次々と分かる真実が、戸籍売買や無戸籍児と複雑に絡んでいて、途中少し混乱しつつもその行方が気になる。戸籍を変えてまで現状から抜け出し生活している人達って案外身近にいたりするのかもと、そんな思いすら湧いてくる。犯人は分かりやすかったけど、この用意周到な悪知恵を他の事に使えないものかと思いつつも、まさに社会の暗部を炙り出している。2025/05/15
よっち
22
ある朝、夫婦でブックカフェを経営する和泉浩次郎は妻エリカが店内で惨殺されているのを発見し、そこから思わぬ事態に繋がっていく社会派小説。その捜査の過程で妻が戸籍を偽っていたことが判明して激しく動揺する和泉。そんな彼を嘲笑うかのように娘の杏奈もまた殺されてしまう展開で、悲劇に打ちのめされながらも、実は彼自身も戸籍を偽るなりすましであるがゆえに警察にも知られないよう、真相を見つけるために奔走する主人公を待ち受ける運命はあまりにも壮絶でしたけど、テンポよく進むストーリーの先に待っていた結末には納得感がありました。2025/07/04
じーつー
7
妻が殺されたことをきっかけに妻が存在しない人間であったことを知る。 別人の戸籍を使っていた妻。 そしてその旦那も戸籍を買っているなりすましだった。 なりすましが集まりに集まって、こんなに集まるかと思う節はあったけど。 なかなか面白かった。2025/06/29
もも
6
初っ端から、悲惨な事件が続きます。扱うテーマも暗くなりがちなテーマだけれど、主人公が謎を解き明かして行く過程が面白く、暗い気持ちにはならずに読み進められました。読後感はどちらかというと明るかったです。2025/08/02