出版社内容情報
ある朝、夫婦でブックカフェを経営している和泉浩次郎が娘の杏奈を連れて出勤すると、妻エリカが店内で惨殺されていた。
その捜査の過程で、エリカが戸籍を偽っていたことを告げられる。
妻はいったい何者で、誰が殺したのか?
激しく動揺する和泉だったが、実は彼も戸籍を偽る「なりすまし」だった。
焦燥する和泉を嘲笑うかのように、娘の杏奈も殺されてしまう。
いったい彼の周囲で何が起きているのか……?
戸籍売買、無戸籍児、そして「なりすまし」──暗部を描き切った社会派小説の傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akiᵕ̈
20
自分たちが営業しているカフェで妻の死体を発見してしまう冒頭から、終始スリリングな展開に読む手が止まらない。しかも妻は戸籍を偽り別人だった事、そして自分も同様の"なりすまし"である事から次々と分かる真実が、戸籍売買や無戸籍児と複雑に絡んでいて、途中少し混乱しつつもその行方が気になる。戸籍を変えてまで現状から抜け出し生活している人達って案外身近にいたりするのかもと、そんな思いすら湧いてくる。犯人は分かりやすかったけど、この用意周到な悪知恵を他の事に使えないものかと思いつつも、まさに社会の暗部を炙り出している。2025/05/15
KDS
2
「わぁ、お店がまっかっか」前振りもなくいきなり最初のページから凄惨な殺害現場のシーン。主人公の和泉浩次郎が三歳の娘・杏奈とともに訪れた自営のブックカフェで、妻のエリカの死体を発見する所から始まる。その後の警察の調べで、なんと妻のエリカは他人の戸籍を使っていた「なりすまし」であったことが判明する。そのことに衝撃を受けた和泉だったが、実は和泉自身も「和泉浩次郎」の戸籍を買った「なりすまし」だったのだ。なぜ妻は殺された?そして妻の本当の名前は?わずかな情報を頼りに謎に迫っていく展開が面白くて一気読み!これ傑作!2025/05/17
ドットジェピー
2
面白かったです2025/05/15