出版社内容情報
横浜・中華街、四川料理の名店「翠玉楼」は来月で閉店を迎える。
いずれはオーナーの座を継ぐつもりでいたロンこと小柳龍一は当てが外れ、毎日することもなく、ぶらぶらと暇を持て余していた。
二十歳を超えたからって、まだ将来なんて決められない。そんな働く気も夢も、何もない彼の元に次々と厄介事が持ち込まれる。
それはロンが〈山下町の名探偵〉と呼ばれていたからだ。
「何も手にはもっていないけれど、それでも」──大きな共感を集める等身大のヒーローが誕生!
内容説明
横浜・中華街、四川料理の名店「翠玉楼」は来月で閉店を迎える。いずれはオーナーの座を継ぐつもりでいたロンこと小柳龍一は当てが外れ、毎日することもなく、ぶらぶらと暇を持て余していた。二十歳を超えたからって、まだ将来なんて決められない。そんな働く気も夢も、何もない彼の元に次々と厄介事が持ち込まれる。それはロンが“山下町の名探偵”と呼ばれていたからだ。「何も手にはもっていないけれど、それでも」―大きな共感を集める等身大のヒーローが誕生!
著者等紹介
岩井圭也[イワイケイヤ]
1987年生まれ、大阪府出身。北海道大学大学院修了。2018年『永遠についての証明』で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ma-bo
98
ロンこと小柳龍一。高校生の時にある出来事を解決した事により〈山下町の名探偵〉と呼ばれ、かつての同級生の妹が転落死した真相を解明する。そんな彼の元には厄介な相談事が持ち込まれる。舞台は横浜中華街。マツやヒナ、警官の欽ちゃん等、ネイバーズ(隣人達)と協力してトラブルを解決。ロンの母の件、ヒナの謎を匂わせる不穏な終わり方💦。次作はもう出てる。タイトルは「飛べない雛」。ヒナのが隠してきた秘密が明かされる事になるのか。2023/09/20
みかん🍊
93
横浜中華街の名店の孫として生まれ育ったロンはフリーターだが高校時代から山下町の名探偵と呼ばれていた、そんな彼のもとには街の人々から厄介な事件が持ち込まれる、課金や振り込め詐欺など現代の様々な問題を孕んだ4つの事件、地元を愛し、頼まれると断れないロンだがかなり危なっかしく命の危険まで感じる、まだ20歳のロンはこの先どうなっていくのか心配でもあるが幼馴染みのヒナやロンの両親のことなどまだ明かされない謎もありこのシリーズはまだまだ続く様だ。2023/05/26
雪
62
岩井さんのシリーズもの。読みたいと思っているうちに出遅れて、ようやく読み始めたがもう4巻まで出ているとは。(5巻も刊行予定)。横浜中華街を舞台に、主人公ロンこと小柳龍一が仲間と共にトラブルを解決してゆく連作短編。現代の社会問題が散りばめられ、1話1話がなかなかのボリュームで面白い。スピード感がありぐいぐい読めます。続きも楽しみ。2024/05/27
moonlight
53
タイトル通りがっつり横浜が舞台。中華街、みなとみらい、西口、黄金町などなど地域の特徴が物語にうまく取り入れられている。協力的な仲間と問題解決していく過程はうまく行き過ぎで読み口もラノベっぽい。しかし現代社会の問題点を掬い上げ、それらが現在進行形で身近などこかで起きているのだという現実が重い問いかけとして響く。主人公ロンの過去が気になる終わり方。既に続刊があるようなので読んでみたい。2023/12/15
ヒデミン@もも
48
さすが岩井圭也さん、さすがハルキ文庫。岩井圭也作品は、シリアスで厳格なイメージだったのがこの作品は真逆。文章も軽く主役のヒーローも軽い。トー横キッズ、推し活に課金それもVtuber、差別、詐欺に闇バイト、引きこもりなど、こんなに重いリアルな社会問題をこんなに軽いノリで語るなんて。岩井圭也さんの新たな才能を見せつけられた気分。『横浜ネイバーズ』はおいといて、各章のタイトルがまた岩井圭也らしくていい。次巻が気になるが図書館にない模様。2023/12/11