出版社内容情報
無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』。
店のオーナーの息子・心也は、怪我で大好きなサッカーができなくなり、中学最後の夏休みを前に晴れない気持ちを持て余している。
また心也は、時々こども飯を食べにくる同級生のことを気にしていた。
一人は夕花。クラスから疎外され、義父との折り合いも悪い。もう一人は金髪パーマの不良、石村。
友情と恋心、夏の逃避行。大人たちの深い想い。
〈子ども食堂〉から始まる思いやりの連鎖が、温かな奇跡を呼ぶ。傑作長篇、待望の文庫化!
内容説明
無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』。店のオーナーの息子・心也は、怪我で大好きなサッカーができなくなり、中学最後の夏休みを前に晴れない気持ちを持て余している。また心也は、時々こども飯を食べにくる同級生のことを気にしていた。一人は夕花。クラスから疎外され、義父との折り合いも悪い。もう一人は金髪パーマの不良、石村。友情と恋心、夏の逃避行。大人たちの深い想い。“子ども食堂”から始まる思いやりの連鎖が、温かな奇跡を呼ぶ。傑作長篇、待望の文庫化!
著者等紹介
森沢明夫[モリサワアキオ]
1969年生まれ、千葉県出身。早稲田大学人間科学部卒業。2007年、『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。映画化・ドラマ化・漫画化された人気作品も多い。疲れた心にじんわり沁みる、爽やかな作風に定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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となりのトウシロウ
124
心也の父は「大衆食堂かざま」で貧困世帯の子ども達向けに子ども食堂を提供。心也の幼馴染の夕花もそこに食べにくる。2人は中三のクラスの学級新聞を編集委員を押し付けられ、そこから「ひま部」を結成。夕花の家庭環境に起因した事件に巻き込まれる。並行して語られるのが同じく子ども食堂を提供するカフェミナミのマスターとゆりさん。お店にダンプが突っ込む事故が起こる。この二つの話がどこかで繋がるんだろうなと思い読み進めると、想像を上回る心温まる奇跡が起こる終盤は感涙必至。人前で読むのは避けた方が無難です。2024/07/06
とし
112
おいしくて泣くとき。優しくて、目頭が熱くなり、ほんわかと心が温かくなる物語でした。2022/06/22
のり
108
森沢作品はホッコリ温かい気持ちにさせてくれる。中学三年生の時に怪我でサッカーを引退した「心也」と幼馴染の「夕花」の交流が様々な出来事を経ての行動をとらせた。たった一日。しかし、この多感な二人にとってはスゴく心に残る一日だった。食堂を営む父親。色々な事情で満足に食事を取れない子供達にご飯を提供する。とにかくこの父親がカッコいいし。心也と夕花の突然の別れからのそれぞれの人生も素晴らしかった。絆が二人を再会へと導く。2023/06/13
相田うえお
88
★★★★☆23016【おいしくて泣くとき (森沢 明夫さん)】プロローグの段階で涙腺が緩みそうになったまでは想定範囲だったのですが、第一章で『ずーん』、第二章で『がーん』、第三章で『ぎょーん』と、もう当方の気持ちを何かで表すならば、色なら暗灰色,頭の中に流れる曲は陰音階、心の重さは鉛玉相当、気温は冬のシベリア(行った事ないけど。笑)。ところが、第四章に入ると風向きが変わり、エピローグでは『じーん』(感涙ね)と締めくくるっと!お見事です!(もうちょっと早めに好転してくれれば最高だったんですけどね〜)2023/03/08
アッシュ姉
64
もしやこれは、もしかしてあの人はと予想しながら読んでいましたが、想像のはるか上をいく素敵なお話でした。わあー!さすが森沢さん!こんな奇跡が起きたら嬉しくて泣いちゃう。2025/03/04