内容説明
母代わりの了然尼が建立中の寺の庫裏になつめが越して初めて迎えた秋のある日、駿河で医者をしている兄・慶一郎が突然訪ねてきた。なつめが七歳のときに京の生家で起きた火事の夜以来、十余年ぶりの再会である。兄からは、両親が亡くなった火事の真相が明かされる。一方、京の菓子司・果林堂の御曹司で、江戸遊学中の長門からもたらされた寒天なる材料に興味津々のなつめ。世話になった照月堂を辞め、今後どのような菓子を作っていこうかと模索した後に辿り着いた道とは…。菓子職人を志した娘・なつめの物語、ついに完結。
著者等紹介
篠綾子[シノアヤコ]
1971年、埼玉県生まれ。東京学芸大学卒。第4回健友館文学賞受賞作『青の夜の夢のごとく―新平家公達草紙』でデビュー。短篇「虚空の花」で第12回九州さが大衆文学賞佳作受賞。主な著書に『蒼龍の星』『白蓮の阿修羅』『月蝕 在原業平歌解き譚』『酔芙蓉』『青山に在り』(第1回日本歴史時代作家協会賞作品賞)『岐山の蝶』『天穹の船』。主なシリーズに「更紗屋おりん雛形帖」(第6回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
44
シリーズ最終巻。大団円でした。2021/10/15
kagetrasama-aoi(葵・橘)
43
「江戸菓子舖照月堂」第十巻。そして完結巻。新旧六菓仙は読み応えありました。なつめが菓子職人として成長して行く物語なのかなぁ…と思って読んでいましたが、なつめは登場人物の一人でしたね。照月堂を中心にして、色々な人達の菓子を巡るそれぞれの思いが描かれていました。行く末が気になる人達が一杯です。特に、長門と照月堂の息子達、そして富吉、少年達の成長の様子を読みたいです。2021/09/01
あっちゃん
32
完結巻!ここ数冊は誰が主役かわからない状態だったけど(笑)最後はやはり、なつめが主役という事で、兄の事や今後の事が一気にやってくる!少し尻切れとんぼ的な感じもしないではないけど、なつめの人生はまだ続くんだもんね( ̄▽ ̄)2021/10/21
むつこ
31
シリーズ10作目、最終巻。すべてがラストに向けて進んでいく内容でドキドキするよりもじんわりする感覚で読んだ。京都の長門がイイ、一歩間違えれば生意気で鼻につく子供なのに周囲の大人たちの対応でちょっと賢すぎる子供の行く末が気になり温かく見守れるように読めた。主人公・なつめが兄と一緒に両親のお墓参りが実現、己の目標もできた着地点。次にあたるシリーズより、番外編で各登場人物を主人公にした短編集が読みたいな。2021/11/24
えみちゃん
30
毎回密かに楽しみにしている「照月堂」シリーズなんですが、これにて完結だそうです。了然尼さまのお世話をするっということで修行半ばで「照月堂」を去ることになったなつめちゃん。生き別れになっていた兄・慶一郎とも再会を果たすなどなどこの大風呂敷、どのように畳むのだろうかとワクワクしながらページを開きました。冒頭から生家で起きた火事によって両親が亡くなった真相が明かされるなど一気に物語に引き込まれました。一方で果林堂の御曹司・長門さまからもたらされた未知なる「寒天」いい意味で久兵衛さんの菓子作りにも変化が2021/08/07
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