内容説明
南西航空方面隊司令官付き「副官」に異動した斑尾怜於奈。少しずつではあるが職務に慣れてきた彼女は、初年度視察で司令官とともに宮古島を訪れる。だが、現地の自衛隊支援者の集まりで失言してしまった怜於奈は…。自衛隊が心がける地域や地元民の感情への配慮など、自らも副官を経験した元幹部自衛官が「自衛隊が対峙するトラブルと人間模様」を描く、大反響・本格自衛隊小説、第二弾!
著者等紹介
数多久遠[アマタクオン]
小説家、軍事評論家。航空自衛隊在職中から小説を書き始める。退官後、2014年、アマゾンから個人出版した電子書籍『黎明の笛』(現・祥伝社文庫)を大幅改稿してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
35
自衛隊を辞めて市区町村、県庁に防災のプロとして再就職している事例があり、日本で唯一辞めた自衛隊員を採用していない県が沖縄とのこと。沖縄という地域特性があるようです。今回も災害派遣要請の場面がありました。大変な仕事だと思います。誇っていい。それでも地元の人々に気を遣っているのが切ない。一つ気になったのがコロナ禍の中でもバーベキューや送別会を行っていること。いくら感染予防をしていると言っても納得いきませんでした。斑尾さんが疑問に思ったことを後回しにせずに直ぐ担当者に教えてもらいにいくのは素晴らしい。2022/01/14
よっしー
20
シリーズ2作目。副官としての動きはまだまだ危うい物の、少しずつ仕事に慣れてきた感じが出ていました。にしても、やはり自衛隊、一般的な感覚とは違う部分が沢山あり、素直に感心してしまいました。規律に厳しいとは聞いていますが、ここまでとは…。にしても、防災関連で元自衛官を雇っているという現実、確かに一番災害派遣とかに詳しいし、経験も積んでるなと納得でした。2024/07/29
秀玉
17
一気読了。面白い。安心とハラハラ、どきどき、陰湿でいやになる、気分が悪くなることがないという意味。小説としてのスパイスが少ないともいえるが、こんなのが良い。(私には)この表紙だけはどうなの‥と思う。小説の玲於奈はさばさばして、平気で「こいつ~覚えてろよ‥」なんて小声でいうような女子。表紙のような可憐なイメージは無い。それにしても感じるのは左翼の方々、この国を滅ぼしたいのと思ってしまう。平和憲法、武器はいらない、奴隷で良いの。と感じる。沖縄人は日本と民族が違うと思ているのか?それとも本土からの活動家の島か。2023/06/02
TheWho
15
一般大学から空自に入隊した二尉(旧軍では中尉)の女性自衛官を主人公に彼女が「副官」に任命され悪戦苦闘するドタバタ劇「航空自衛隊 副官 怜於奈」シリーズの2巻目。今回は、宮古島出張での島民との蟠りや、副官同士の連携強化のTV会議のドタバタ、そして自衛隊員の暴行事件に係わる沖縄の実態、防災訓練と地元自治体との微妙な関係など、自衛隊と沖縄との関係が淡々と、そして微妙に描かれている。頑張れ自衛隊と応援したくなる一冊で、次巻が楽しみです。2022/03/10
ほしこ
10
沖縄の反自衛隊感情は根強いんだなと感じた。自衛隊は災害派遣で国民を助けてくれる、最後の砦だから防災に関して地域と協力するのは大事なことだと思う。それを反自衛隊感情があることで協力出来ず、結果有事の際に大変なことになるかもしれない。それを防ぐために、地域の人と地道に交流をして解ってもらおうとしている自衛隊の努力がすごい。長い時間かけてやっていることだから。地域の人を、国民を守ろうとしてくれているんだなぁ...。2022/09/23