内容説明
鳥島南東の無人島が忽然と消失した謎を探るべく、深海潜水艇“わだつみ”で調査に向かった小野寺は、日本海溝に沿って地殻の活動が、異常に活発化していることに気付く。一方、相次ぐ噴火や地震に異変を感じ取り、行動を開始した地球物理学者の田所博士の前には、渡老人という政府にも隠然たる影響力をもつ人物が現れた。日本の危機を悟った科学者たちは、どうするのか…。今なお日本SFの金字塔として色褪せない名作!
著者等紹介
小松左京[コマツサキョウ]
1931年、大阪市生まれ。京都大学文学部卒。61年「地には平和を」でSFコンテスト選外努力賞。64年に処女長篇『日本アパッチ族』を発表。74年『日本沈没』で日本推理作家協会賞、85年『首都消失』で日本SF大賞を受賞。2011年に逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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姉勤
29
経済や安全保障、そして衆愚という面で沈没しそうな現代日本。嘗て不沈空母と呼ばれていた頃の日本を舞台にしたSF。群発地震が発生する中、小笠原諸島のある島が短時間のうち消失した調査に参加した主人公は、ある秘匿されたプロジェクトへの参加を打診される。さすが、自分の想像力に自身がトラウマや鬱を発症してしまうほどの、「リアル」な描写力。本書を「絵空事」とせず、法整備、インフラ投資、国民の啓蒙に舵を切っていれば、後の阪神淡路大震災、東日本大震災の災禍を多少なりとも軽減できたのではないか。天才は忘れられても見出される。2022/08/28
shinn
12
日本沈没 大ベストセラー、映画も大ヒットの時は読んでなかった。藤岡弘といしだあゆみの夜の浜辺のラヴシーンにドキドキしてた中坊だったと思う^ ^。ゴリゴリのハードSFな深海探査からそのラヴシーン〜大地震と続く冒頭はスリリングで面白い!ヒットするわけだ。2023/04/03
V6_1800
7
実は日本沈没はスピリッツで連載してた漫画(一色登希彦版)しか知らなかった。日本のSFの金字塔らしいので借りてきました。小松左京作品読むのはさよならジュピター以来。50年前によくこれだけの作品が書けたものと思う。東京都全体を冷房するとか東京駅八重洲ビルの中を高速道路が通っているとか、現在でも現実となっていない未来像と、現実化しつつある3Dホログラム的なものとブラウン管が共存しているのが書かれた時代を感じさせる。2024/01/23
奥田智徳
3
怖い関東大震災。下巻へ。2022/01/03
みそ
1
おもしろい、けど古いSFの典型で、出てくる女性がみんな男性にとって性的な存在、娼婦か女神になっていてなんとも辛い。家、家父長制ゴリゴリの論文を国家が政策に利用するあたり、さすがに世の中の解像度が高くて感心します。下巻も楽しみ。2023/05/18