内容説明
練塀小路に剣術道場を構える、小野派一刀流の中西忠太。息子の忠蔵を含めた弟子たちは、俊英・藤川弥司郎右衛門との仕合で完敗を喫したのを契機に、さらなる剣の充実を目指し厳しい稽古に励んでいた。そんなある日、町で大喧嘩に遭遇した彼らは、仲裁に入るも逆に牙を剥かれ、挑発に乗って暴れてしまう。真っ直ぐすぎる弟子たちを心配する忠太は、新たな教えを説くが…。剣に燃え、生きる希望に満ちた不良剣士たちの再生を描く、傑作剣豪人情小説第三巻。
著者等紹介
岡本さとる[オカモトサトル]
1961年大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社90周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に『浪華騒擾記』が入選。その後フリーとなり、『水戸黄門』『必殺仕事人』などのテレビ時代劇の脚本を手掛け、現在も数多くの舞台作品にて脚本家・演出家として活躍する。2010年小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんごろ
155
相変わらずの悪ガキ六人達。まあ、忠蔵を悪ガキにして良いかは悩みどころではありますがね。忠太の仁徳を思い知った今作でした。剣客の福井兵右衛門も忠太が一目置くだけのことある人物だった。忠太は江戸のスクールウォーズの滝沢先生に見えてきた。忠太、熱いわ。他流仕合で仕合する六人達より忠太が熱くなってどうする。またそこがいいんだけどね。本家と分家の仕合はいつになることやら。早く仕合もみたいが、悪ガキ達の成長が楽しみでまだ見てみたい。そして、自分も忠太のようにいつまでも子供のような気持ちを持っていたいな。2021/04/25
やま
87
熱血一刀流3作目 2020.10発行。字の大きさは…小。小野派一刀流の剣客中西忠太が、小野道場を破門になった門弟たちと、自身の中西道場で織りなす熱血剣術物語です。師範の中西忠太は、道場の指導だでなく、息子忠蔵以外の5人の家に行って、如何に稽古に励んでいるかを伝えるとともに、門弟の家での生活風景を覗いて来ます。型や組太刀だけの稽古にとらわれず、実践的な剣術防具の面を守る靭、小手を守る袍の改良と。靭と袍を付けての稽古試合の相手を探して、板橋の剣術道場で対戦した6人は、全勝し強くなったのを自覚します。🌿続く→2021/01/29
とし
77
熱血一刀流「希望」3巻。他流試合なれど勝者に、しかも勝利したことに浮かれもせず、他流派の型を学び感謝を告げ道場をさる、中西道場門人たちは成長一歩前進しましたね、次巻ますます楽しみです。2020/12/18
ドナルド@灯れ松明の火
18
いよいよ中西道場が本格的になって来た。本家と分家の仕合が近づくが、早く仕合の様子を読みたい。 お薦め2020/12/03
ニッキー
11
段々と面白くなって来た。やはり、岡本作品の味が出て来た。 ごちゃごちゃといる弟子の一人に今回はスポットライトが当てられ描かれているのが良かった。2020/12/07