内容説明
北海道警察本部刑事部捜査第一課に所属する吉灘麻耶は、ある事件で負った怪我をきっかけに、“廃墟に限定して、そこで起こった過去の情報を視ることができる目”を持つようになった。そして、廃墟に関わる事件を専門で追う、窓際部署・廃物件捜査班に異動させられる。ある日、定山渓温泉の廃旅館で大規模な火災が発生。現場に向かうと、麻耶には異様な人影が視え、何者かの感情が流れ込む感覚に陥って…。書き下ろし警察小説。
著者等紹介
柿本みづほ[カキモトミズホ]
1991年生まれ。北星学園大学文学部心理・応用コミュニケーション学科卒業。2019年『ブラックシープ・キーパー』で第11回角川春樹小説賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんごろ
158
廃墟に限定して過去が見える能力を持った特殊能力を持つ女刑事の物語。能力のせいで部署は窓際部署という設定。札幌が舞台ということで、札幌に住む自分としてはテンションあがる。事件はそこそこに複雑。しかも実際にニュースや事件をモデルにしてるので、それなりにリアルでいいかな。警察物が好きな人には、物足りなさがあるかもしれませんがね。廃物件捜査班のメンバーがなかなか良く、とくに室戸がいいね。続編があれば読んでみたいなと思います。頑張れ!道産子作家! 2020/11/23
はつばあば
55
お気に入りの読み友さんはイヤミス系がお好き。この柿本さんの最新刊?を読まれたレビューが??イヤミスじゃないよねぇ。でももしイヤミス系なら厭だし他の本にしようと。吉灘麻耶は、過去の事件で目を負傷し角膜移植を受けて超能力を得た。これだけでイヤミスじゃなく私好みと♪。しかも高校の修学旅行が定山渓だった(#^^#)。能力があるとやっかまれるねぇ何が窓際部署だ。この部署の面々、スクープの登場人物程に面白いです。一見冷たく見える上司白石の暖かさ。そして師匠の愛。皆さん面白半分に廃屋なんかに行くものじゃないですよ。2021/06/18
空のかなた
28
実写化、TVドラマに。表紙は札幌の刑事である吉灘麻耶。事故で片目を失い角膜移植を行うが、虹彩はアメジストとなり人間とは到底思えない眼に変貌する。それは「忌み眼」と呼ばれる力を持つ。廃屋に残る人の想いや恨み等の過去の情報を読み取る力を持つ能力者。刑事としても能力者としても、絶対的なヒロインではなく、この刊を通して自分の力を受け入れていく成長の物語。忌み眼の力の使い方は悔退師(≠刑事)の端島守亜に師事した。死神のようなオーラをもつ36歳。これは浅野忠信さんとか酒向芳さんを浮かべながら読み進んだ。2021/08/27
くろねこ
15
主人公がもっとクールなキャラかと思ったら意外にフツーの女子でした。 悪い意味じゃなくて、とっつきやすくてよかった♬ 廃捜みんなキャラが良くて、主人公の従姉妹もいい子で読みやすかったけど、読みやすかっただけで終わっちゃう感じ…かな。。2021/02/14
えふさん
10
廃墟に纏わる記憶が見えるようになった女刑事のお話。 ホラーファンタジー推理小説と設定は好みでしたが、あと一つ物足りなさが残りました。師匠と豆柴くんそれぞれ良い味出してたんですけど。2024/07/15