内容説明
通称「山谷」地区。ここには東京を代表する巨大なドヤ街がある。この地域にある山谷労働出張所は、日雇い労働の斡旋が専門の職業安定所。労働者の高齢化や、不景気による仕事の減少など、山谷地区では様々な問題が多発していた。そんな中でも所長の深恒宣泰は、心を寄り添わせながら労働者と接していた。ある日、ホームレス殺害事件が発生し、被害者は山谷地区にいた労働者だという事が判明する。深恒は被害者の家族を探そうと動き出すが―。
著者等紹介
西村健[ニシムラケン]
1965年、福岡県生まれ。東京大学工学部卒。労働省(現厚生労働省)勤務後、フリーライターに転身。1996年『ビンゴ』で小説家デビュー。『劫火』、『残火』でそれぞれ日本冒険小説協会大賞を受賞(第24回、第29回)。『地の底のヤマ』で第33回吉川英治文学新人賞と、第30回日本冒険小説協会大賞を受賞。『ヤマの疾風』で第16回大藪春彦賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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み
20
おそらく初読みの作家さん。ではなかったです。今作は、家族にこだわりがありすぎなような…、そこが何か読みにくく。2024/12/22
カノープス
0
最高の最後、いきなりのミステリー展開になるまではルポルタージュ小説を読んでいるような不思議な手触りだった。何点か不自然に思うところはあるが、自分が知らない世界の話ゆえ、その感覚が正しいのかはわからない。2020/07/19
かすり
0
山谷ハローワーク所長が、殺されたホームレス、飯樋の身元を探ると驚愕の真実が…。…という物語を描きたかった意図はわかるが小説としてもミステリとしても雑。被害者がホームレスとはいえ連続殺人(しかも後出し)を警察が放置する?被害者が周りと関わりを持とうとしなかった動機も薄いというか分からない。福島出身の根拠も…これだけ?「オヤジ」の家庭不和や終盤で畳み掛けられる意外な犯人も取って付け感が半端ないし逮捕の場面に至っては突っ込みどころありすぎ。2020/06/23