感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
如水
34
表紙通り主人公は本田忠勝、主な話は『三方ヶ原及び前哨戦』です。ただ裏表紙に記載が有る通り「史実の話にエンタテイメントが結構盛られた」話。そう割り切れば面白かったですよ。まず武田方の馬場信房がシブいっ(良い意味で)!!流石一国の太守たる器。信玄が二人いる様な錯覚を抱きます。エンタテイメント制が高いなぁと思ったのが、武田軍侵攻を糧に家臣団の考えを一新させより強固にする…ってそんな事考えられない位の状況に陥ってたと僕は思っとるのですが(興味が有れば信玄西上作戦の侵略ルートを。良く思い付いたな、と)。2021/05/10
サケ太
22
武田という強大な敵を前に、徳川家が惑いながらも、立ち向かう。徳川家康や本多正信に見出だされた、本多平八郎忠勝。そして、父半蔵から後継者とされた幻術を扱う服部弥太郎正成。それぞれが登場する序盤。若い力が台頭しながらも、今まで徳川家を支えていた人々が意地を見せていく姿が胸に来た。多くの因縁が収束し、勢いのある終盤がとても面白かった。2020/05/15
スー
19
41炎上する大阪城を前にして徳川家康は武田家の西上作戦直前の困難だった時を思い出す。武田家の進攻を前に徳川家は揺れ動く、酒井と石川ふたりの重臣を中心とした古い体制を危機を利用して変革しようと本多正信・本多忠勝・服部正成を中心に家臣団の若返りを図り、対して武田家は信玄の命令一下に陣を自在に変化させられる円熟した状態で圧倒的な力を誇示し徳川家は風前の灯火。思ったより熱い話で思わず家康を好きになりそうでした。良い本に出会えました。2021/03/16
maito/まいと
18
武田家の侵攻に揺れる徳川家。しかし家康はこの逆境を機に徳川家の構造改革に乗り出す。志を同じにする本多正信を筆頭に、新生徳川の象徴となる本多忠勝と服部半蔵父子が集い、武田家に立ち向かう。従来から言われている三方ヶ原の戦いに漂うネガティブ雰囲気は全くなく、徹底した計算とゴール地点への戦略に個の力が合わさり奇跡を生む展開は『坂の上の雲』の日本軍や半沢直樹をみるかのよう。また、信玄暗殺への執念に命を燃やす女忍び母娘や忠勝にライバル意識を燃やす左近など武田家側にもドラマが満載。ハズレなし佐々木作品は今回も健在だ。2020/05/02
Book Lover Mr.Garakuta
17
想像力を駆り立てられ面白かった。要再読。2020/11/02