内容説明
ためらうことなく、女は阿蘭陀針で男の首の後ろを刺突した。そうして立ちかけた時、鋭い視線を走らせた。近くの衝立の陰から、少年が一部始終を見ていたのだ―。間抜けた馬面で呆けた仕事振りから北町奉行所で昼行燈と呼ばれる同心・布引左内。彼の息子・坊太郎が失踪した。暫くして両親の許に帰ってきたのだが、どこか様子がおかしい。左内が別の殺人を追う中、暗殺稼業の女と殺し屋組合九頭龍の因縁が発覚し、それに坊太郎が巻き込まれているようで!?昼は仮の姿、裏では法で裁けぬ悪を斬る、左内の活躍に胸躍る傑作時代小説!
著者等紹介
和久田正明[ワクダマサアキ]
1945年静岡県生まれ。テレビ時代劇の脚本を数多く手がけた後、現在では時代小説の執筆に専念している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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