内容説明
この街の権力者、久納義正の元に一本の連絡が入った。その相手は亡くなった戦友の息子、野本精一だった。野本は金の無心をした上に、ブラディ・ドールのオーナー・川中良一に命を狙われているという。今は亡き戦友の息子を守るべく久納は、「ソルティ」と呼ばれる若月真一郎に野本を守るよう命じる。絶望、愛憎、欲望―。様々な想いが交錯する中、ハードボイルド小説の最高峰がついに終焉の時を迎える。シリーズ第十八弾!!
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年、佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部法律学科卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で日本冒険小説協会大賞、吉川英治文学新人賞受賞。85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞長編部門、91年『破軍の星』で柴田錬三郎賞、06年『水滸伝』全19巻で司馬遼太郎賞、07年『独り群せず』で舟橋聖一文学賞、10年に日本ミステリー文学大賞、11年『楊令伝』全15巻で毎日出版文化賞を受賞。13年紫綬褒章を受章。16年菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
46
ブラディ・ドール、遂に最終巻です。男たちの繰り広げるハードな世界に魅せられること多し。大人の寓話を楽しませてもらってありがとうという気持ちです。2022/06/27
サン
20
約束の街シリーズをブラディドールシリーズと合わせて刊行した18冊目。新装版。姫島の爺さん、加納義正が語り部となる。加納の亡き戦友の息子からの助けの要請に理由も聞かずに借金や追手から匿う加納。追手が川中なものだから、一筋縄にはいかない。ハラハラする展開。刊行していたのはこれで最後だけど、新しい作品はでないのかな。2019/08/05
白きゅまⅢ
13
『ブラディ・ドール』シリーズ第18巻。今回は姫島の爺さんこと、久納義正視線で語られる物語が何だかとても新鮮でした!本書では若月と川中が対立するという、ちょっとワクワクする展開で、誰も死なないで欲しいと願いながら、読み進めました。物語としては、派手な展開にはならずに、ちょっと肩透かしの感はありましたが、北方ハードボイルドを存分に堪能することが出来ました!『ブラディ・ドール』シリーズは一応一区切りしたので、次はいよいよ本命の『岳飛伝』にチャレンジしていきたいと思います♪★★★☆☆2020/04/23
がんもどき
8
今回は姫島の爺さん視点で話は進む。そして川中、三度あの街に来る。自己肯定感の低いトランぺッター野本が状況を引っ掻き回すだけ引っ掻き回してくれて、ソルティと川中が対立する。登場キャラが少ないだけ読みやすく、久納の爺さん視点だとそれぞれのキャラも今までとは違った顔を見せてくれて新鮮な気持ちで読めた。しかし端役とはいえ野本に良いところが全然ないと感じる本だ。2023/01/15
JNSouth
1
18冊全部読んでしまった。 フォークナーを読み返してみようと思う。2024/04/13